第3話

 一体なんなんだ?この人は。


 そう思ってしまうほどエルライはライジェルを見つめていた。もちろんエルライにその自覚はない。


(流石にずっと喋らないからあやしまれているのか?でもなぁ……)

「ライジェル殿、魔王をどのように倒したのか詳しく教えてくれないかね?」

(これは俺が言わなくてはいけない系だよな……)


 全員の目線がライジェルに集まった。


「。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

「ん? もう一度頼む」

「。。。。。。。。。。。。。。。。。。デス」

「すまないが最後しか聞こえない。もう少し声を出してくれるかい?」


 アルデラの一言でさらに焦るライジェル。


「すいません。代わりに私が話してもよろしいでしょうか?」

「君ではなくライジェル殿に聞いているのだよ」

「*@‘;:’@‘&*¥%§£€$§&€〆£$^$}]<€\\€,『々}€&々£$€¥@$&€〆※+・^。」

「すまない。早すぎて聞こえなかった。」


 その言葉に絶望するライジェル。


(もう無理だ…。これ以上は話せないよぉ…。今すぐここから出たい…)


 一方、なかなか話さないライジェルにしびれを切らすエルライ。


(この人どういうつもりだ?もしや魔王討伐してないから何もいえないのか?)


 部屋は静まりかえっている。アルケスが口を開いた。


「……申し訳ございません。我が主人は極度の人見知りでして、ほんの少しの知人以外こんなかんじなのです」

((だからか!))


 エルライとアルデラは納得する。情報がまったく掴めないのは本人の社会交流がないからだったのだ。


(これは盲点だったな……。)

「つまりライジェル自身は話せないのだな?」

「私を通してならいけると思います。ただ他人が見ている場合、私たちとすら会話できないので別室となりますが。」

「では、それで頼む」

「分かりました」




ある日、街を滅ぼした魔族を倒してほしいとの依頼が入った。ちょっと強かったけど許容範囲かなっと思ったらそれが魔王だった。




「……とのことです。」


「「意味わからん!」」


普段から話さないタイプなのか壊滅的な説明だった。


「いえ、今のは主人の話を省略したものです」


ズコッ


「省略しないで欲しいのだが……」

「正直専門用語と言いますか、私自身知らない単語が多すぎて説明したくてもできないのです」

「というと?」

「詠唱を教えてくれたのですが全く理解できない言葉でして……」

「……そうか」


アルケスがわからない以上、本人に聞くしかない。


「主人も慣れたら話せると思います」

まあでも少なくとも数年はかかるとは思いますが……。


「とりあえず今日は帰るとする。またよろしく頼むぞ」


「はい」






『後書き』

 

皆様お待たせしました。(待っている人なんていないだろうなぁ……)

現実で色々あったり、更新がめんどくさかったりとにいつの間にか半年以上が経過しておりました。

復帰したとは言っても相変わらず遅い更新だと思いますし、急に辞める可能性も大いにあります。(その自信しかない)


ですが読んでくださると幸いです。

今後ともよろしくお願いします。

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英雄と称えられる俺ですが、人見知りなんでほっといて欲しいんです 和泉 花乃羽 @kanoha-izumi

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