第4話 授業終わりの模擬戦場
「よーし。野郎共集まったかー?」
「はい。全員怪我なしでいます」
点呼係らしき女子生徒が須崎先生に点呼の確認結果を報告した。
「お前たち、さっきの模擬戦を見たか?特に早坂は能力が無くとも序列30位台に対して健闘をしていた。これがどういうことがわかるか?」
須崎先生が俺を除く生徒に語りかける。
恐らく、須崎先生が言いたいことは俺には能力がないのに格闘術だけで序列30位台にも戦い方次第で戦えるということだろう。
まあ、俺は格闘術だけでなく話術等も使っているが。
「お前たちは分かりやすく言うと『拳銃を持った一般人』、序列上位の人間たちは『拳銃を持った自衛隊』みたいに例えれる。つまりは、使い方が分かってないって事だ。先の模擬戦は良い勝負だった。参考にするのもアリだ。これで授業を終わる!」
須崎先生がそう言ったと同時に授業終了を告げるチャイムがなった。
相変わらずベストタイミングだな。
須崎先生は毎回の授業でチャイムピッタリに授業を終わらせるらしい。
そこに恐ろしいまでの時間管理能力が出ている。
意外と学生時代の序列10位台というのはあながち間違ってないのかもな。
教室に行きながらそんなことを考えていると綾霧が俺の方に来た。
「あなたこの歳でここまで高められた格闘術に状況把握能力。一体何をしたらそうなるの?」
その問に対して俺は少し沈黙をしてから
「…とある道場で師事を受けていただけだよ」
と答えた。
綾霧はもちろんいかにも私不満アピールを俺に対してしてきた。
といっても俺から言えるのはここまでだからな。
これ以上言うことは俺も嫌だし、アイツに止められているしな。
「じゃあな」
俺はその一言だけ残し綾霧唯の元を去り、教室に帰った。
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