第10話超天才トラブルメーカー(美少女)
この世界の魔法は主に火、水、土、風のそれらを物質として自在に操る力の事を一般的に指している。
例えば、それらの対象となるモノの形状や性質を自在に変える事が可能であったり、それらのモノを複製することが可能である。
それらの魔法は体内にある魔力を消費して使用することが出来る。
魔力はこの世界の人間ならば誰もが生まれた時から備わっている。
だが、ほとんどの人の魔力量はそれほど多くはない。
また、その体内の最大魔力保有量は生まれた時の状態から増えることはない。
ただ一部の人間を除いては・・・。
「とりあえず今日は、魔法を使う上での基礎的なことを教えるわね。魔法は基礎的なことが出来ていないと、使うことが出来ないから」
「はい! お願いします!」
さっき母さんがやっていていたような魔法を、僕も早く出来るように、まずは基本が大事ということだな。
「じゃあ、まずは魔法を使う上で必要なイメージ力。その対象となるものを、自分は魔法の力でどうしたいのかを、頭でイメージするところから始めましょうか」
「はい、やってみます!」アレンは強く意気込み、早速今から取り掛かろうとした。
その矢先に「待ったーーー!」。
と、二人の親子に割って入るかのような甲高い声がした。
どこから聞こえてきたのかと二人は周囲を見回していると、二人の前に見知らぬ少女が視界に入ってきた。
その娘の歳は、見た目からしてアレンと同じ、もしくは同じくらいと思われた。
「どうしたの? もしかして迷子?」母さんが冷静に問う。
「いいえ、違います。私は迷子などではなく、超天才魔法使い美少女のクレア。そう、クレア・フィッシャーでーす!」
なんだその自己紹介の仕方は・・・。
「ふーん。それで、その超天才魔法使いのクレアちゃんは私たちに何の用かしら?」
母さん、よくこんな状況で冷静にいられるな。
「いえ、私は[ルーンの申し子]であるアン様に用があるのです。そこにいる子には微塵も用はありません。むしろ邪魔です!」清清しいくらいにはっきりと言い切られる。
「なっ!」
超天才うんたらかんたらのクレアとやら。
それ、地雷だ。
母さんの地雷の二つ目は、僕のことを誰かがぞんざいに扱うことである。
僕がそのことを気にしていようとなかろうと関係なく。
母さんはキレる!
ぷるぷると、徐々に母さんが怒りで震えているのが伝わってきた。
「母さん。どうかここは穏便に・・・」
いや、どうやらもう手遅れだったようだ。
「私の可愛いアレンちゃんにどの口聞いとんじゃーーー!」
「ヒイイー、すみませんでしたーーーーー!」とても怯えた様子でクレアが言う。
母さんの怒りの噴火はとても派手であったのだった。
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