終わった日

増田朋美

終わった日

その日は、冬らしく寒い日で、日も出ないし曇っていていかにも冬という感じの日だった。そんな日だからこそ、教育機関などでは、マラソン日和だといって、できない生徒にマラソンさせるのである。速い子は、マラソンに喜んで付いていくが、中にはできない生徒も居るだろう。だけど、それと同時に、マラソンは、走るだけのスポーツではなくて、見る人が居るということを、忘れてはいけない。

ある日、杉ちゃんとジョチさんは、その日、地元で行われた、マラソン大会を観戦するため、富士市の総合運動公園に行った。ふたりとも、障害を持っているが、こういうマラソン大会などの地域行事で祝辞を述べなければならないのだ。このマラソン大会は、もう何十年も行われている市民マラソン大会で、ちょっとした登竜門でもあった。このマラソン大会で、優勝できたものは、静岡県が主催する、マラソン大会に出場できて、うまく行けばテレビに出られる可能性もある。なので、主催する側としては、足が速いのはもちろんであるけれど、容姿の良いものに優勝してほしいという事も目論んでいた。まあ、マラソンをする当事者にしてみれば、容姿なんてどうでもいい話なのであるが。

二人は、障害者特別席から選手が次々にゴールしているのを眺めていた。どうせ、マラソンなんて、杉ちゃんもジョチさんも縁のない行事だった。確かに、開会式で祝辞を述べたけど、それ以降は、自由にして良いことになっていた。もう、一番目のランナーはゴールして、次々に市民ランナーがゴールする。もう、一位のランナーがゴールしたので、もう帰り支度をするお客もちらほら出てきている。杉ちゃんたちは、来賓という立場なので、最終ランナーがゴールするまで待たなければならなかった。

「まもなく最終ランナーがゴールします。皆さん温かく迎えてあげてください。」

そう放送が流れて、最終ランナーを拍手で迎えてあげられるのは、よほど心に余裕がある人でないと、できないだろうなと思われた。しばらくして最終ランナーがはいってきた。ちょっと、知的障害のようなものがある、弱そうな感じの女性だったが、彼女は、止まる事なくトラックを一周し、しっかりと、ゴールまで走ってきた。

「おお、偉い偉い。よく最後まで走り抜けたもんじゃないか。ちゃんと、42.195キロを走ったんだ。褒めてやるべきだな。」

観客席にいた杉ちゃんは、手を叩いて彼女を迎え入れた。

「確かに、オリンピックは参加することに意義があると言いますからね。おめでとうございます。」

ジョチさんも、彼女をにこやかに迎えた。彼女は、もう疲れ切ってしまっているようで、みんなに迎えられながらも、倒れそうな感じで、ゴールのテープを切った。転びそうになった彼女を、一人の女性が受け止めた。多分、母親か姉など身内の人だろう。そこで多くの人が涙をこぼしたのであるが、杉ちゃんの隣で立っている女性は、最終ランナーにつばを飛ばした。ぶすっとした顔で、つまらなそうに手を叩いているのが見えた。

「お前さんどうしたの?なんでブスッとした顔してんだよ。」

杉ちゃんに言われて、彼女は変な顔をした。ジョチさんは、来賓として、マラソン大会の講評を述べるために演台の方へ行ってしまったので、杉ちゃんは、ちょっとこっち来いと言って、彼女をトラックの外に出して、近くにあった、器具庫に彼女を連れ込んだ。

「なあ、さっきから、みてたけど、お前さんマラソン大会で変な顔して見てたけど、一体何かあったの?なんでそんなにマラソン大会が嫌そうだったの?」

杉ちゃんは彼女の顔を見た。その女性は、杉ちゃんにも見覚えがある特徴的な顔だった。確かにブスッとして居る顔だけど、でも、どこかで見たことのある女性である。

「お前さんの名前はもしかして、松永さんでは?あのとき、テレビに出て、有名になった、松永徳恵さん。違うかい?」

杉ちゃんがそう言うと、

「そうか。あたしは、もうそんなふうにわかってしまうんだ。あたしの事、知らない人なんでもういないのかな。それも、疲れちゃうわね。」

と、その女性は言った。

「確か、静岡県の主催するマラソン大会で、走ったよな。それで確か、優勝して、インタビューで今まで生きてきた中で一番幸せだという名言を残した。」

杉ちゃんがそう言うと、彼女はもっとぶすっとした顔になる。

「その女性がどうしてこんなところに居るんだよ。もう、いろんな大舞台に出て、大活躍しているんじゃないかと思ったけど?」

「そうなるはずだったわね。」

杉ちゃんがそう言うと、松永徳恵さんは、嫌そうな顔をしていった。

「でも、あのときはそれだけで終わったわ。足を痛めて、次のマラソン大会にはもう出られなかった。それ以降、忘れ去られて、表舞台には出てないのよ。だから、最終ランナーがああして迎えられていたのが、嫌だったのよ。」

「そうなんだ。でも、一生懸命走っている女性に、つばを飛ばすのは、だめだぜ。彼女は一生懸命走ったんだから。それは、ちゃんと認めてあげような。くれぐれも公私混同はだめだよ。」

杉ちゃんに言われて、松永徳恵さんは、トラックの方をみた。

「きっと、みんなそれぞれの目的があって、マラソンに出ているんでしょうね。なんだか私も、若い頃は、周りの人に、出て見ろとそそのかされて、一生懸命やってきたけど、それがなんだか、今は馬鹿らしいみたい。きっとあのラストランナーは、授産所とかそういうところで働いているんでしょうね。私は、マラソンをやめて以降、働き口がなくて。」

「はあそうか。それでは、就職先が無いなら、製鉄所へ働きに来てくれ。ちょうど女中さんがいなくて困って居るところだった。水穂さんも他の人も喜ぶだろう。」

杉ちゃんは、強引に彼女に言った。彼女も、そんなことを言われて、困ってしまった顔をする。

「ああ、製鉄所というのは名ばかりで、工場ではなく、ただ勉強や仕事をする場を貸してる施設だよ。お前さんはそこで、施設の掃除とか、庭の手入れ、あと、水穂さんという間借りしているやつの世話をしてもらおう。丁度いいや、女中が獲得できていいマラソン大会になった。」

「そうなんですか。つまりメイドさんなんですね。」

と、徳恵さんは言った。

「呼び方はどうだっていい。引き受けてくれるだろ?仕事がなくてぶらぶらしているんだったら、ちょうどいいよ。それに、掃除や人の世話は、無駄にならない技術だぜ。どうせ、家帰っても、過保護な家族のもとで、ぼんやり暮らしてるだけだろう?だったら、ちょっと、製鉄所を見学していったらどうだ?」

杉ちゃんに言われて、彼女は、少し迷った様な顔をした。

「ここにいたんですか。マラソン大会は終わりましたよ。皆さん、そんなに注目されたいんですかね、自分のことを、見てほしいっていう人が、増えてきているのかな。それでみんなマラソン大会に出ているんですかね。」

足を引きずりながら、ジョチさんが器具庫にやってきた。

「おう、良かったな。今日から製鉄所を手伝ってくれる、松永徳恵さんだ。早速、製鉄所を見学してみたいって。どうせ、家に帰っても、居場所が無いって言うことなので、今から連れて帰ろうぜ。」

杉ちゃんが、ジョチさんに彼女を紹介すると、ジョチさんも、彼女の全容を理解してくれたようで、

「わかりました。じゃあ、今日は、三人で帰るということですね。」

と言って、スマートフォンで電話をかけ始めた。多分、運転手の小薗さんに、乗る人が一人増えたとお知らせしているのだろう。電話が終わると、杉ちゃんたちは、器具庫から出て、総合運動公園の駐車場へ行った。そこに、小薗さんが車を用意して待っていた。まずはじめに車椅子の杉ちゃんを後部座席に乗せて、ジョチさんは助手席に、松永さんは、杉ちゃんと一緒に後部座席に乗った。小薗さんは、では行きますよと言って、車を走らせ始めた。

製鉄所は、総合運動公園からすぐ近くだった。杉ちゃんをまず敷地内で降ろして、ジョチさんと松永さんは、製鉄所の建物内にはいった。製鉄所の玄関は上がり框がなく、車椅子でもすぐに入れるようになっているのが、特徴的だった。詳しい事情を聞かれることもなく、松永徳恵さんは、杉ちゃんから、建物の掃除と、庭の手入れ、あと、水穂さんの世話などをしてくれと頼まれた。賃金については明確にされなかったが、何しろ広い建物なので、掃除をするにしても長時間掛かりそうだった。

徳恵さんは、まずはじめに、落ち葉が散らかっている庭をきれいにすることから始めた。と言っても、庭の手入れなんて何をすればいいのだろう。何をしていいのかわからないまま、庭をボケっと眺めていると、

「新しい、女中さんが来てくれたんですね。」

と、一人の男性が声をかけてきた。その人は、紺色に白で紅葉の葉を大きく入れた着物を着ている人だったが、どこかの俳優さんみたいに美しい人だった。徳恵さんは、どう返事をしていいかわからず困った顔をしていると、

「これで庭を掃いてください。」

と、彼は、徳恵さんに、竹箒を渡した。徳恵さんは、小学校のときにやっていた庭掃除をなんとか思い出して、竹箒で庭を履き始めた。あんなにきれいな人が見てくれるのでは、従わないわけには行かない。そういえば、中学校のときも高校のときも掃除という時間はあったが、徳恵さんはその間も、走らされていたのだった。掃除をしたなんて、初めての経験だった。

「庭を履いたら、ちりとりで落ち葉を集めて、ゴミ捨て場に捨ててくれたらそれで結構です。」

その男性に言われて、徳恵さんはそのとおりにした。なんで自分が、という感情は不思議にわかなかった。あのきれいな人に、声をかけて貰えばそれでいいのだった。それと同時に、

「水穂さんいつまで待たせるんだ。憚りにしては長すぎるけど。」

と、杉ちゃんのでかい声がして、例のきれいな人は、ごめんなさいと言って、部屋の中へ戻ってしまった。その人は、水穂さんという名前だったのか、と徳恵さんは、初めて知った。あのきれいな人がいてくれれば、このつまらない仕事も少しは楽になってくるかなと思った。こんなところに、あんなにきれいな人が居るとは、まさかの収穫であった。徳恵さんは、集めた落ち葉を、ちりとりで取って、ゴミ袋に入れ、今度は製鉄所の縁側を竹箒で履き始めた。

「何をしてるんだ?なんで竹箒で家の中を掃除しているの?」

杉ちゃんに言われて徳恵さんは思わず、

「何って掃除ですけど?」

と思わず言ってしまう。

「バカ。家の中を掃除するときは、竹箒で家の中を履くもんじゃないよ。そういうときは、水拭き雑巾で床を拭いてきれいにするもんだろうが。」

杉ちゃんに言われて、彼女は、そうですかとだけ言った。

「すぐに雑巾濡らして、水拭きしてくれや。掃除というのは、竹箒で履くことだけが全てじゃないぜ。」

彼女は渋々そのとおりにした。杉ちゃんは、学校で何を学んできたのかとか、そういう事は一切口にしなかったが、本当に彼女は掃除をしhた記憶が殆ど無い。だって、学校にいたときは掃除なんかしないで、暑い日も寒い日も、マラソンしていたんだもの。それが偉いと言われていたんだから。雑巾を持って、床を拭きながら、彼女はそんなことを思い出していた。学校にいた頃は、有力なマラソン選手として、マラソンばかりしていたものだ。それを同級生たちは、歓迎してくれなかった。なんで、松永さんだけは、掃除もしなくていいし、宿題忘れても叱られないのなんて、言われていたものだ。それも辛かったけど、教師たちは、学校の希望の星とかいって、彼女にマラソンをさせることしかさせなかった。事実、長時間練習させられて、そのまま帰宅して疲れて寝てしまい、宿題を忘れることもあったが、彼女は怒られることはなかった。全く、学校は、彼女を信じすぎていたのである。まあ確かに、有能な人材は、私立学校に取られてしまうのが、今の時勢なので、公立学校に、こういう有能なマラソン選手が来ると、機体を寄せすぎてしまうのかもしれないが。

「あーあ、床がびちゃびちゃだよ。これでは、車椅子でも移動できないじゃないかよ。」

と、杉ちゃんのでかい声で、彼女はハッとした。確かに、雑巾は濡れていたのでびちゃびちゃなのは当たり前なのだが、

「そうじゃなくて、雑巾絞ってから、床を拭くもんだろうが。」

杉ちゃんに言われて、徳恵さんはびちゃびちゃになっている雑巾を見て、

「これをどうしたらいいの?」

と素直に聞いた。

「だから、絞って水気を切ってから、床を拭くもんだろうが。」

杉ちゃんに言われて徳恵さんは、絞るという意味がわからない顔をした。

「もう貸してみな、雑巾とバケツを貸して。こういうふうに水気を切ってからやるんだよ。」

杉ちゃんは、そう言って、徳恵さんに渡された雑巾をバケツの上で絞った。

「そうだったんですか。そんな事知りませんでした。」

徳恵さんが正直にいうと、

「だったら覚えような。びちゃびちゃだから、もう一回、絞った雑巾で拭き直してくれ。」

杉ちゃんはそれだけ言った。徳恵さんは、そのとおりにした。そうやって、製鉄所の縁側を水拭きするだけでも、数時間かかってしまって、徳恵さんは、今までにない疲労困憊してしまった。

「まあ、今まで掃除なんか一度もしたことなかったんだろうし、今日はここまでにするか。明日もまた来てくれよ。掃除は毎日するもんだぜ。よろしく頼むな。」

杉ちゃんに言われて、徳恵さんは、こんなことを、またやるのかと思わずいいそうになってしまったが、

「それがお前さんのしごとだぜ。もうマラソン選手としてはできないんだろう?だったら、新しい仕事に精を出して貰わんとな。」

と、杉ちゃんに言われて、何も言えなかった。確かに、自分はマラソンをするのはもう終わりなのだ。だってお医者さんには、もう走らないでくださいとはっきり言われたし。でも、掃除なんてこんな惨めなことをずっとしていくのは辛いなと思った。

とりあえずその日は、家に帰らせてもらったのであるが、徳恵さんは、翌日家にずっといたいと思いたくなるほど、製鉄所に行くのは憂鬱だった。でも、水穂さんというあんなにきれいな男性が、待っていてくれるのならと思い、製鉄所に行った。その日も、昨日と同じ様に庭を掃除していたのであるが、庭は、昨日の夜吹いた風のせいで、落ち葉が散乱していた。徳恵さんは、どうしてこうなってしまうのだろうと思いながら、庭を掃除した。「ごせいがでますね。」

と、いきなり声がしたので、徳恵さんは思わず振り返ってみると、水穂さんがそこにいた。

「ああ、どうも。」

徳恵さんは、それだけいう。

「お掃除、ありがとうございます。わざわざこちらまで来てくれて、嬉しいです。」

水穂さんに言われて徳恵さんは、カッと熱くなる。

「いえ、大したことじゃありません。こんな仕事、早く終わりにしたいと思っているのですが。」

とりあえずそれしか言うことができなかった。

「こちらは、とても助かりますよ。僕にはできることじゃないですしね。昔はできたんですけど、この体では。」

水穂さんはそういった。確かに、年寄みたいにげっそりと痩せていて、なにか事情がある人だろうなとは思われるのであるが、徳恵さんはそれがどんな事情なのか理解できなかった。一体なんだろうと考えていると、いきなり激しく咳き込む声が聞こえてきたのでびっくりする。咳き込んでいたのは、水穂さんであった。徳恵さんは、箒をどこかへおいて、水穂さんのそばに駆け寄った。

「大丈夫ですか?お医者さん行きましょうか?」

徳恵さんが声をかけると、水穂さんは首を横に振った。

「なんで。すぐに見てもらったほうが。」

当たり前のことだと思って徳恵さんは言うのであるが、水穂さんは咳き込みながら、首を横にふるだけである。そこへどうしたんですかと言いながら、ジョチさんが、やってきた。

「急に咳き込んでしまったんです。私は何もしていませんが、なんでこうなってしまったんでしょう。」

徳恵さんは、そう言うと、ジョチさんは、いつものパターンですねと言った。ジョチさんは水穂さんを、無理やり立たせて、疲れたなら、部屋へ戻って休みましょうと言って、奥の部屋へ連れて行った。

「徳恵さんは、いつもどおり、庭を掃除してくださいね。」

と言われて、徳恵さんは、庭掃の仕事に戻ったが、なんだか気になって仕方なかった。なんでか知らないけれど、他人のことはえらく気になってしまうものらしい。徳恵さんは、時々庭掃の手を止めて水穂さんのことを考えてしまうのであった。その後で、杉ちゃんに言われたとおり、雑巾を水で濡らして、それを絞って、縁側の掃除を始めたけれど、水穂さんのことが気になって、掃除をしても上の空だった。口を動かさずに手を動かそうと徳恵さんは自分に言い聞かせながら、掃除を続けていると、ふすまが開いて、ジョチさんが出てきた。

「あの、水穂さんは、大丈夫なんですか?」

徳恵さんがそうきくと、

「お陰様で大丈夫です。大変そうでしたけど、なんとかなりました。いつものことだから心配しないでいいですよ。」

ジョチさんはそう言うが、徳恵さんは心配で仕方なかった。

「本当に大丈夫なんですか?」

もう一度そう聞いてしまう。

「ええ。大したことないですよ。」

「そうですか。早く良くなるようにと言ったとお伝え下さい。あたしが、心配してたって。」

徳恵さんの口から予想していなかった言葉が出た。それを聞いてジョチさんも、意外な表情をした。

「運動選手らしくないですね。」

ジョチさんは、そういった。

「運動選手というと、自分のことばかり考えているんですけどね。あなたはそうではないですね。とてもめずらしいと思います。決して馬鹿にしているわけではありませんよ。それはもしかしたら、あなたの強みかもしれないですしね。」

「私、そんな才能あったかしら?」

徳恵さんは自分でも不思議そうに言った。そんな自分のいち面なんて、見たこともなかったし、自分はマラソンをするために、他人のことなど一切無視してやってきたつもりなのだが。

「まあ、自問自答してくださいよ。それから、ご自身の進路を考えてください。」

ジョチさんに言われて、徳恵さんは、もうちょっとこの仕事をして見ようかなと思ったのだった。




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終わった日 増田朋美 @masubuchi4996

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