62 髑髏

星に呼ばれても飛べぬ身で笛を吹く


古池の波紋のあいに投身す


ジョーカーの仮面血糊のセンター街


Tシャツの皺の狭間にある血糊


強面こわもてといふ弱きものサングラス


線香花火見て強盗したくなる


(明科駅にて少時停車)

大逆の山に逃るる夏日かな


箸箱に積もる油へ押捺す


拭きどころなき脂にて五指に塗る


ティーバッグたまには水に入れてみる


コンビニのアイスはいつも奥の方


窓際でみんな首吊ってるホテル


割箸にお前はどこの木かと聞く


古池が飲み込むアッシャー家にかわず


キーボード其処のみ埃積もれるQ


窓際に乳房の白き夏の暮


炎天に降る太陽を数えきれず


轍よりタイヤの破片探し出す


汗だくの髑髏派兵されてる私

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