56 天漢

オイル無き歯車となり夏暮れる


アイスこぼしてもすぐ蟻の来ぬ怠惰かな


義父は絞首されてするめになり候


愛も無情もなく事切れて土に帰す


斬首されこんな表情できたのか


首吊りの尻も暮れきる春の夢


掃溜に打ち棄てられし右目かな


嬰児に生まれやがて花弁となりて死す


プルシットジョブと怒号と春の雨


窓に顔呼ばれて春の雨を見る


不意に小指が伸びて天漢突き冷たい


纏足が静かに並ぶ場末かな


驚いた馬鹿にも脳味噌ついてゐる


剪定や併せて馬鹿の首も切れ


馬鹿を埋め薔薇の棘にて虐め抜く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る