17 寒鴉

閑日や孤蝶こちょう海より飛来する


いち」といふ逃げ場のなさや雪が降る


そのべには忘れ得ぬ恥烏瓜からすうり


こがらしや光に呼ばれ見る空は


青空や誰かを照らす人となれ


かげろふやさちと呼べるは未生みしょうのみ


処刑師の鎌ぐ音や樹氷林じゅひょうりん


踏みしめる浜の眞砂まさごの月日かな


るや賀状に残る旧のせい


少女あり広場を駆けて行く孤独


はらみ居る文字の重さや閉架書庫


(作者がいつも心の中に置いておきたい自画像としての一句。)

何をもて生きる身空や寒鴉かんがらす

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