5 冬薔薇

閃光がせな貫きて冬の午後


「コピ・バリ」を畸形児きけいじの眼に垂らし居り


凍蝶いてちょうの心音なれには届かぬか


(フェルメールの絵を見て)

永遠の窓辺に注ぐ牛乳ミルクかな


横領のつまの右手と冬木立


待ち遠し破局の朝の冬薔薇ふゆそうび


桜散るときこいの鱗となりにけり


散るさくら一ひらずつの物語


おくれ毛を吹いて飛ばすや大晦日


閉ざされたシャッターのひび冬の街


新しき瓶に椿を活け無言


some day.とけふもこゝろにあすならう


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