4 時の渦

燭光しょっこうに血糊きらめく刃かな


正夢の夜空なつかし春隣はるとなり


さいはての光の如く梅真白


侘助わびすけの開くを待ちて日参す


夢の野を走る夜さえ虎落笛もがりぶえ


残響や花火の夜に君はいた


ノヴァク氏が首くくられしカフェ「りぼん」


枯野から着いた手紙は時のうず


極東や昨日の粉雪こゆき今朝の虹


こがらしが田の頬を打ち砕け散る


心太ところてんとらえどころのなき人よ

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