第8話
涙がでていた。やべぇ。悪いことを言ってしまった。
「ごめん。そんな悲しませるつもりは全くなかった。」
「大丈夫。こちらこそごめん。私、、、こんな病気になる前は、運動大好きだったんだ。私、水泳の選手でさ、全国大会もちょいちょい出てた。けど、この病気になってから、もう泳げなくなったの。夏のジュニアオリンピック。私ね、あと0.03秒で出れたの。けど、冬もあるからいいや。って思って諦めたんだ。」咲希は、
また泣き出しそうな顔で、そう俺に言った。
「ほんと、馬鹿みたい。あの時もっと頑張れば良かった。あれが最期の大会だったんだ。」
さすがの俺も、これには同情を隠せない。
「そうか。それは、悔しいよな。」
どう返せばいいのだろうか。俺は分からなかった。
「ごめん。こんな重い話言っちゃって。」
咲希は俺に謝った。
残り僅かな人生にありがとう。 @purinsikakatan
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