第7話

あと4ヶ月か。そう思いながら、俺は家に帰った。


「おかえり。系。」母はそう言った。

「系。何か、食べたいものある?」そう俺は聞かれたら。おそらくあと半年しかない俺の人生が、少しでも充実できるよう、親として願っているのだろう。俺は、

「じゃあ、ハンバーグ」俺はそう答え、部屋に駆け込んだ。

ほんとに終わるのか。どんな死に方をするのだろうか。今現在、俺の自覚症状は、左手の麻痺と右足が少しだけ動かしてづらいだけ。

そんなに日常生活に支障はない。あと半年でどれくらいの病気が進行するのだろうか。

俺は寝た。



「おめでとうございます!!病気が治ってます!ありえない!何の治療もしてないのに、、、。とにかくよかったですね!!」そう、お医者さんが言った。

俺、治ったんだ。やった!!これで寿命が少ないことを怖がらなくていいんだ。両親も泣いて

喜んでいた。



「は!!」俺は夢から目覚めた。

こんなことが正夢になってくれればな、、、。

そんな叶えることのできないことを、俺は

願ってみたりした。

「系ーご飯できたよー」母さんの声が聞こえた。俺は階段を降り、ハンバーグを食べ寝た。




「いってきます。」俺はそう言い、家を出て学校に向かった。

「系ー!」後ろを見たら、咲希がいた。

どうやら待ち伏せしてたらしい。

「おはよう!随分遅いんだね!遅刻しないの?」咲希は俺に呑気に聞いた。

「あぁ。俺は走ったら間に合うんだ。」俺は言った。「へー!そうなんだ。運動出来るんだ。」咲希は悲しそうに言った。そういえば、咲希は歩くのが妙に遅かった。足の麻痺がすすんでしまっているのだろうか。

「まぁな。得意だったんだよ。今も、足の麻痺はそんなすすんでねぇから、走れはする。」

咲希は更に悲しそうな顔をした。

「そうなんだ。私、どうやら進行が早いみたいなんだ。だから、もうっ。」この続きを言おうと思った咲希の目からは、涙が出ていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る