第4話早希と赤鼻(1)
健太:・・・
早希:これ、いつ撮った写真ですか?
健太:・・・くっ!
早希:泣かないで答えてくださいよ!
早希:やっぱり私たち会ったことあるんですか!?
早希:健太さん!教えてください!
健太:・・・わかった、教えるね
健太:俺と早希が出会ったのは5年前だよ
早希:5年前?じゃあ中学生の時?
健太:ううん、早希が19の時だ
早希:・・・え?私、今19歳ですよね?
健太:違うよ、早希は今、24歳だ
早希:ど、どういうこと?
0:今から5年前のこと
0:早希と健太は同じ大学だった
早希:あ
健太:お、早希ー!
早希:・・・なに?
健太:一緒に帰ろうよ
早希:やだよ、付いてこないで
健太:・・・んーなんでこんな嫌われてんだろうなー
0:しかしめげずに健太は早希にアプローチをしていた
健太:ねえねえ早希ー飯食お?
早希:やだ!
健太:早希ってなんか好きなもんある?俺に教えてよ
早希:やだよ!
0:そんなやり取りが続く
健太:早希、クリスマスどこ行く?
早希:なんでどこか行くことが当たり前みたいに聞いてんの!
健太:なんでよー予定あんの?
早希:ないけど嫌でしょ
健太:俺は嫌じゃないのにー俺の事嫌いなの?
早希:嫌い
健太:・・・そっか、うっううぅ〜!
早希:な、泣かないでよ!嘘、嫌いは言いすぎた
健太:デートしてくれるの?
早希:わかった、わかったよ!
0:そして、12月24日
健太:早希!俺と付き合ってください!
早希:な、なんで!?
健太:なんでってなんだよ!好きだからに決まってんだろ!
早希:いや、わかるけどなんで私なの!?
健太:早希しか居ないからだよ
早希:だからなんで!?
健太:まだわかんないの?
健太:早希の早希の喜ぶ顔とか、照れてる顔とか、美味いもん食ってる顔とか、楽しそうな顔とか
健太:あとはーそうだな、からかわれて怒ってる顔とか、仕草一つ一つが好きなんだよね
健太:これからも一緒に居てさ、俺の知らない早希を知って好きを増やしたいんだ
早希:・・・わかったよ、私で良ければ
健太:ほ、ほんとか!?やったぁぁー!!
健太:うっ、ううぅ〜〜(泣く)
早希:なんでまた泣くの?
健太:泣いてねーよ、ばぁかぁー!
早希:ふふっ、鼻真っ赤だよ
健太:あー!鼻かゆ!花粉かな?
早希:今冬だよ?泣いてるのわかりやすい
早希:あ、じゃあ健太のあだ名決めた!
健太:何?
早希:赤鼻の健太
健太:トナカイみたいに言うなよ!
早希:泣くと鼻が赤くなるから
健太:からかうなってー
健太:まあ、早希が喜んでるならいいか
0:1年後
健太:早希、今日で付き合って1年経つぞ
早希:うん、そうだね
健太:もう1年かーあっという間だな
早希:この1年で健太は何回泣いたの?
健太:知らねーよ、1回も泣いてねーし
早希:それは嘘だよ
健太:はい、じゃあここに来て
早希:もう、場所まで同じにしなくてもいいんじゃない?
健太:だめだよ、毎年12月24日はここで早希に告白するって決めたんだ!
早希:もう、わかったよ
健太:好きだよ、早希
早希:私も好きだよ
健太:・・・よっしゃあー!!
早希:よっしゃあってなんなの!?もうわかってる事なのに
健太:いつだって付き合った日に好きって言われたら嬉しいじゃんかよー
早希:また鼻赤くなってるよー赤鼻の健太
健太:うるせー!泣いてねーよ!
早希:あっはは!
0:そして更に3年が経つ
健太:じゃあ、またここに来て
早希:うん
健太:あー違う、10センチずれてる
早希:毎年細かくなってるのなんなの!?
健太:いいから!ここ!
早希:うるさい人
健太:ボソッと悪口言わない!
早希:はいはい
健太:はいは2回まで!
早希:じゃあいいじゃん!
早希:あっはは!健太って面白い
健太:4年も付き合ってるのになんかずっと楽しいよな、俺たち
早希:そうだよね、段々仕事も忙しくなってきたから会える日は少なくなっちゃったけど
早希:でも、健太とこうやって過ごせる毎日が幸せだよ
健太:俺もだよ、早希と一緒にまたこの場所に来れたことを幸せに思う
早希:ありがとう
健太:早希、来年もこの場所に来ような
早希:もちろん!
早希:はあーでも仕事の疲れ残ってるみたいだし私も若くないのかな?
健太:疲れ溜まるよなー、もし大変そうだったら休んでもいいからね?
早希:大丈夫だよ
0:そして、10ヶ月が経とうとしたある日のこと
0:健太は1人である計画を立てていた
健太:よーしよーし!今年のクリスマスイヴはまたあの場所で早希に告白するぞー!
健太:もう5年になるのかー早いなー
健太:そうだ、5年も一緒にいる訳だしそろそろ・・・
健太:今年は絶対にやってやる
健太:12月24日、早希にプロポーズを!
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