第18話 冒険者昇級試験の朝

父さん達にメイド長に頼んでいた衣服を渡し、俺は明日に備えて休むことにした。

彼らなら安心してグレンの嫁と娘を守り通すはずだ。

俺は父様の部屋を出るとまっすぐ寝室に向かい、明日の準備をして夢の中に入り込んでいった。





チュンチュンチュン



もう朝か。

久々に熟睡したみたいで、外では母の部下達が朝練に取り組んでいた。

さっさと身支度を整え食堂に向かうと、すでに母が食事を摂っている。


「おはようセイル。早く食べてさっさと合格してきなさい!」


ちなみに母は昇格試験は殆ど魔物討伐による物で、今回のような対人戦での試験は受けていないとのこと。

第一、誰一人として母に挑む勇気ある試験官がいなかったそう。まぁ・・・気持ちはわかるよ・・・


食事を終えた俺は早速馬車に揺られ、冒険者ギルドに向かう。

今回の昇格試験は十中八九【メシア】の介入があることが決定されているので、出席予定だった国王様含め王族達は不参加になり、

試験会場である冒険者ギルドもBランク以下の冒険者の出入りが禁止になっているそうだ。


俺は馬車の中でグレンの対策を確認しながら、冒険者ギルドに向かうのだった。

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