第14話 親バカな母

「ただいまー」



屋敷に戻った俺はすぐさま母様のもとへ向かう。執事から中庭で訓練していると聞き案内されていくと、他の騎士達と訓練に勤しむ母の姿がみえた。


例の事件のあとからより一層訓練に取り組んでいる母は、俺には及ばないが魔力制御の精度がよくなっており、今でもこの国最強の座に君臨しているが、俺に対しては今でも変わらず親バカを発揮している。

俺が中庭に入るやいなや、すぐに訓練を中止して飛びかかってくるほどだ。


「セイル~♪お帰りなs…ブフォッ!?」


「いきなり飛びかからないでください母様?」


咄嗟に魔力を右足に集めて回し蹴りを食らわしてしまったが、空中で体勢を立て直す母様。我ながら化け物過ぎて笑えてくる。周りで見ていた騎士達もそう思っているのだろう、口をポカーンと開けて固まっている。


「酷いよセイル!母親の愛を素直に受け取らないなんて!!」


「いい加減子供扱いはやめてください。ましてや他の騎士達の前では特にと前にお話ししましたよね?」


「だってぇ~セイルが可愛いかr…」


「二度言わせないでください。もう一度、母様がわかるまでO・HA・NA・SI・しましょうね?」


静かに切れた俺は、そのまま騎士達の前で母様と戦闘を開始した。つい一週間前も同じことがあったため、騎士達は無言でその場から離れ宿舎に戻っていった。

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