第10話 エピローグ

あれから10日たった現在。俺セイルは再び王城に来ていた。

今回の一連の騒動は、父が出張として行っていた他国からのテロリストだったそうだ。何でも父のせいで国家転覆の計画があと一歩のところで防がれてしまい、その腹いせによる犯行だったらしい。


そんなこんなで俺達家族は、今回の功労者として正式に貴族として認められることになった。もともと偉い立場だったのだが、面倒だと国王様に直談判して貴族ではなく平民として今までいたらしいが、今回の出来事を受けて自分の息子を守る為になることを決意したと父母から事前に話されていたので驚きはしなかった。


「それでは今回の一番の功労者であるセイル様には、国王様よりお言葉がございます。」


おっと、俺の褒美の話か。できれば年齢関係の免除辺りが欲しいところだが・・・


「この度のテロ行為に対して私の命はもちろんの事、この国のために幼きながら守り抜いた英雄に敬意を表意し、先日お生まれになられた第三王女様との婚約と国家魔導師の権利を与える。よいなセイル?」

「ありがたく頂戴いたします。(絶対に第三王女は転生神様じゃん!)」

「それとセイル。閣僚達のことを許してはくれぬか?操られていたとはいえ、あってはならいことだった。」


そうそう。俺の魔力で拘束した閣僚達はテロリスト達に操られていたらしく、事件後は屋敷に謝りにきていたのだが母が毎回追い返していたりしく、ちゃんと謝罪ができていなかったらしい。


「今回の事は許します。ただ、次はないのでそこのところはよろしくおねがいしますね国王様。」

「分かっておる。処罰として半年減棒と一年間の炊き出しの参加が決まっているか安心せい。」


周りにいた閣僚達はそのあとひとりひとり謝罪の言葉を述べ、安堵の表情をしていた。あとから聞いたがよほど怖かったらしく、悪夢でうなされた人もいたそうだ。

穏やかな雰囲気なったところでお開きとなり、俺は国王様に連れられ第三王女様の部屋に通された。


「入るぞ」


中からゆっくりと扉が開かれると、王妃様とその脇にベッドで眠られている王女様がおられた。

王妃様は薄い紫の髪色のロングヘアで、身長は150cmぐらいで胸は控えめだ。

第三王女様はあのとき見た転生神様を幼くした風貌であり、赤ん坊ながら中々の美貌の持ち主だ。まぁ俺も赤ん坊なのだが。


「あなたがセイルくんね。私は王妃のオーロラとこの娘が貴方の婚約者のリジェです。以後お見知りおきを。」

「この度リジェ王女殿下の婚約者として選ばれましたセイルといいます。どうぞよろしくお願いいたします。」

「そんなにかしこまらなくてもいいのよ。もう私たちは家族同然なのだからね。」


よかった・・・。王妃様に何か言われるのかと思ったけど大丈夫そうだ。

しかし、これだと俺の自由はほぼほぼないのでは?


俺の顔色の変化に気づいた国王様と王妃様が優しく声をかけてくれた。


「安心しろセイル。すでに王位については上の子で決まっておるし、なんならセイルの所に嫁がせる予定だから何も気にすることはない。」

「そうよセイル君。私もあなたならこの子を任せてもいいと感じたわ。最初は半信半疑で夫の話を聞いていたけど、実際にあってあなたの魅力に惹かれたわ。どうか娘と仲良くしてやってください。」


このときの二人の顔を忘れるときはないだろう。あんな幸せに満ちた笑顔をみたことはない。






はてさて二度目の人生ははたしてどうなるか。次回より少年期編へ突入です。

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