第9話 再会

「‥イル!…‥‥‥セイル!!」



俺の名を呼ぶ声に目を覚ますと、真っ白な空間に寝転がっていた。ここは転生前のあの空間に似ているが、辺りを見回しても俺以外に人はいないようだ。

体を起こすと一気に周りの景色が変わって庭園らしき場所に変化した。夢にしてはリアル過ぎてちょっと怖い…


「セイル。やっと来てくれました!早くこちらにいらっしゃい!!」


声がする方に体を向けると、紫色のロングに黒のドレスに身を包む女性が椅子に座り、紅茶を嗜んでいるのがみえる。あの人どっかで会ったような…。

母やメイド・騎士達ではないし、他にあった女性であの姿は…‥まさか!?


「もしかしてあの受付?してた人ですか?」

「申し遅れました。私はこの世界の転生神を賜っておりますリジェと言います。覚えてらっしゃいますか?」

「(やべーすっかり忘れてたわ。)いやマジで!?ていうことは俺また死んじゃったのか!?」

「いいえ。あなたが体を酷使し続けた為、強制的に眠らせてもらいました。今回限りの特別処置ですので気を付けてくださいね?」


急に怖い顔で忠告する転生神様。それほどに俺はやばい状態だったのか・・・反省しなくては。

少し落ち込んでいると、転生神様からとんでもない話を持ちかけられた。


「セイル。実は私近々引退するのよ。」

「WHAT!?じゃあ加護はどうなるんですか?(まだ無くなるのは勘弁してほしいんだけど)」

「加護については大丈夫よ。後任がちゃんといるし、これからはあなたと一緒だもの♪」


えっ?もしかしてだけどアレのせいなのか?

落ち着けセイル!まだそうと決まったわけじゃ・・・


「セイルがイケないのよ?私を口説いたのは貴方が初めてなの。正確に言うと異性からなんだけど・・・」

「そ、そうなんですね…」

「そういうことだから、近々下界で会うことになるからよろしくね♪ア・ナ・タ♡」


ヒェッ!?どうやら俺はとんでもないことをしてしまったようだ。

これからの生活の妄想をしている転生神を後目に俺はそのまま意識を失った。

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