第7話 刺客②

saido フレア 



旦那と息子に捕まったクズ共と一緒にいた私は、魔力でロングソードを生成する。息子が国王と部屋を出てから2分ほどしか経っていないが、この部屋が何者かに囲まれているのが分かる。それは旦那も気が付いているのか、知らぬ間に自前の剣を構えていた。


「ちょっとマー君!この部屋に入るときに武器は没収されたじゃん!!何で持ってるの!?」

「素直に渡すバカがいるか!?だいたいここに来た時点でこうなることはわかってただろ!?息子は昨日のうちに俺に相談して対応してたぞ!!」

「マー君の意地悪!!いいもーん。どうせ私の剣はすぐ壊れるからこれでいいし。」


そう、私は強すぎるから一振りで剣が折れちゃうんだもん♪だから昔戦った魔力を剣にして戦う少数民族から教わったこの《魔力剣》で十分♪何回壊れてもすぐ直せるし、最近は息子から魔力の制御について学んだから壊れないし伸縮自在でなおよいのだー♪♪



さてさて敵さんはどう出るかな?旦那にクズ共を任せて私は暴れますか♪

旦那に目配りをして私は目を閉じて敵の気配を探った。部屋の前に3人、下の階に10人、国王様と息子の先に5人ってところか。ゆっくり息を吐くと、私はそのまま剣を振り下ろした。


「スキル《騎士王》亜空切断」


私が虚空を斬ると同時に、あちこちから悲鳴が響きわたった。部屋の前にいた三人は利き腕と両足を斬られ、部屋越しから多量の血が流れてくる。

下の階10人は首を斬られ即死し、国王様と息子の所は一人を残して次元の狭間に送ってやった。これは《騎士王》の亜空間斬りと斬撃を飛ばす鎌鼬の合せ技で、気配で感知した敵に対して任意の場所に空間を歪ませて飛ぶ斬撃を飛ばす回避不可能な私の十八番だ。

例外として空間系のスキル使用中の相手に対しては効かないことなんだよ。どうやら生き残ったやつは空間スキルで難を逃れたのだろうが、生憎うちの息子が処理したようだ。


「ひとり漏れちゃったけど息子が片付けたみたい。マー君!マー君!!やっぱりセイルは騎士団に入れようよ!!!」

「駄目だ!あいつは自由にしてやったほうが伸びるタイプだ。あと数年も経てば俺たちから離れるぞ多分。」

「だけどさぁ~…てかマー君何してるの?そのデブと騎士の頭掴んでさ。」

「いやなぁ、昨日息子から言われたとおりにしているだけだぞ?あと今回の首謀者は隣国のカキジュウみたいだ。」


旦那はそういうとデブと騎士の頭を放す。何でも息子の魔力で作った鎖の一部が徐々に拘束した相手の体内に侵入し、その人がもつ情報をコピーして頭から紙に書かれた状態で出てくるらしい。

排出された紙を瞬時に読み取る夫。するとすぐに私に息子の所に行くよう必死な形相で目配りをしてくる。今まで夫がしたことのないマジの顔だ。


「待っててよセイル。今行くからね!」


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