第4話 母の強さと父との邂逅

俺セイルが転生して1年が経過した頃、国王から紹介された家庭教師を5人程退職に追いやっていた。そんな中で気が付いたことがあったのだが、どうやらこの世界では人はスキルを1つしか会得できないようだ。今まであった人のほとんどは1つしか持ち合わせていなかったたんだけど…


「やっぱり母はイレギュラーなんだな…。」


そう…母であるフレアはスキルを2つ所持していたのだ。

最近になってやっと《鑑定》スキルの魔力操作を覚えたので、試しに母を見たのだが恐ろしくヤバい。

とりあえず《鑑定》で見えたのは…




名 フレア 年齢(25才) 性別 女性 

スキル 《騎士王》 《一騎当千》

称号 英雄の再来 



《騎士王》

・最上級のスキルの1つ。

・あらゆる剣術・戦闘スキルを扱うことが可能。

・ただし、戦闘以外に関してズボラになりやすくなる。


《一騎当千》

・生まれてから一度も負けずにいた事で発現した特殊なスキル。

・常時戦闘能力の30%の向上と戦った相手の剣術の再現可能。

・一回でも負けた時にこのスキルは消滅する。




今の俺が見れる限りだとこんな感じか。

まだまだ練度が足らなくてこれくらいしか分らんかった。ていうか母は生まれてから負けなしなのか。やたら俺が異常な行動していても何も言われないのは母の子だからだろうな。


っと考えていると、玄関に見知らぬ男性が近づいてくる感じた俺だったが、直ぐに部屋にあった短剣を抜刀する。

明らかに母と同等の魔力を有する男性は、どんどんと俺の部屋に近づいてくる。

男性がドアを開けたと同時にカンッっと俺と男性の刃が激突した。


「誰だあんたは?(マジでヤベーやつだ。身体強化に全魔力注いでいるけど押し負ける!)」

「お前こそ誰だ?我が息子の部屋で何をしている?」

「はぁ!?じゃああんだが俺のおや・・」


すると部屋の壁をぶち破いて俺達の間に母フレアが突っ込み、咄嗟に距離を取る。

あと数秒遅れていたら死ぬところだった…。だが母よ、こうなる前に止めに来てくれよ…


「ちょっとマー君!自分の子に剣を向けるなんて…私でも許さないよ!!」

「フレア…いやその…マジか?この化け物が俺の子なのか?う、嘘だよな?」

「ふーん…私の言うことが信じられないのマー君?」



その後は言うまでもないが、マー君こと父マイクは母フレアに説教されていた。

母も遅れて駆け付けたメイドに怒られたのは言うまでもない。

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