第3話 半年後
転生してから半年が経過した。相変わらず俺は部屋にいるのだが、変わった事が一つあった。それは家庭教師が付いたことだ。
「セイル様。今日もよろしくお願いしますね。」
「はい。よろしくお願いします先生。」
この半年の間に俺の肉体はだいたい2歳児程度にまで成長しており、《魔力制御》で身体強化のコピーをして生活している。
まぁ‥その‥母にバレたのが原因なのだ。まさか《魔力制御》の練習で試しに足を強化して立ち上がったのを偶然見られているとは思わなかった。
あのときの母の行動は早かった。すぐに教会に連れて行かれ司祭に《鑑定》してもらい、国王に家庭教師を付けてもらうよう直談判したらしい。
この後、俺が教会や宮廷魔導士達による精密検査を受けたのは言うまでもなかった。
そんなこんなで今に至るが、結局なところ暇なのだ。《転生神の加護》で習わなくてもだいたい把握しているし、何より今は体を動かしたい。
「あら、セイル様は座学がお嫌いですか?」
「いえ、いい加減に実技をしたくて‥」
「実は奥様より実技の許可を得ています。外にいきましょうか」
やっぽー!ダメ元で行ってみるもんだぜ!!
すぐにメイドに支度させると、屋敷の中庭に移動した。中庭は試合が出来るほどの広さがあり、他の騎士達が稽古をしている様子だった。
「「「セイル様~~!!」」」
一斉に俺の周りに集まる騎士達はみな女性だ。どうやら俺の居る国では女性が男性より強い傾向があるらしく、騎士の約9割が女性なのだ。残りの1割の中に俺の父がいるらしいが、母に何度か聞いたのだが、今はこの国にはいないらしい。
騎士達に見守られながら俺は、家庭教師と向かい合った。
「ではセイル様。私のスキルの真似をしてください。」
「わかりました。先生のスキルを盗んでものにしてみせますよ!」
「大きく出ましたね。元宮廷魔導士を舐めないでぐださいね!」
ふっふっふっ‥今日でこの家庭教師には退場してもらおう!
《魔力制御》で家庭教師のスキル発動時の魔力操作を目で読み取った俺は、家庭教師のスキルをことごとく再現しまっくった。
この出来事がきっかけで家庭教師は心が折れ、後日退職したのは言うまでもなかった。
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