第12話 戦闘モード
倉庫では、ある話が行われていた。
「例のあの男はどうするんだ?」
「修也君ですか、、、彼には全ての罪を押し付けて消えてもらいます。」
修也から黒服の中なら一番強いと言われた、
その表情を見てか、警察のキャップを被った男がニヤリと笑みを浮かべて
「あなた達も私の案に乗っかった時点で同罪ですよ。いくらあんた達の父親にあたる場所を守る為とはいえ、何の罪のない高校生を巻き込んだうえ暴力まで振るった訳ですから。」
("くそ、この男弱みに付け込みやがって")
「でも、彼には一瞬身代わりになって貰うだけで、全てが終わった後、誤解を必ず解く言ったじゃないか。」
「なら、全てここまでの行いを認めて、世間にばらしますか?ここまで私と貴方が積み上げてきたものが無駄になりますが、、、。」
("どうしたらいいんだ?全てを認めるべきか?
いや、、、でも、、、")
「う、、、わ、、、わかった。なるべく早く楽にさせてくれ。彼をこれ以上苦しめさせたくない。」
「なるべく、そうなるよう私も善処します。
だが、私の想像している以上に彼がやり手である場合は、強行手段を取らせてはいただきますが、、、。では、これでお開きにしましょう。」
と、言って警察のキャップを被っている男は無言で外に繋がる扉を開いて倉庫を出て行く。
周りにいた黒服の一人が、
「本当にあの男の言いなりで良かったのですか?親父さんが残してくれた道場を護る為だとしてもあれでは、、、親父さんに天国で顔向けが出来ないです。」
その声に'そうだー'、'何か別の方法がある'と賛同の意見が飛び交う。
「そうだ。お前達の言う通りだ。でも、、、俺達にとってはあそこが全てだった。小さい頃から、いくあてもない俺達の面倒を見てくれた親父との思い出の場所を俺は何としても守りたい。
お前らもそうではないのか?だから、あの男に対して誰一人も異論を唱える事なく黙っていたんではないか?」
顔俯き皆黙ってしまった。
倫理的にはいけない事だと分かっている。
だが、あの男に協力する事で多額の借金は帳消しとなりその引き換えに道場を引き渡す事はしなくてよくなる。
「俺達はただ、行く末を見守るしかないんだ。これから胸張って生きていく事は出来ないかもしれないが、あの少年の分、沢山の人を道場を通じて幸せにしていこうじゃないか。それが俺達なりの罪滅ぼしだ。」
反応を見る限り葛藤している者や納得してない者もいるとは思うが、ここから変わっていこう。きっと変われる。きっと時間が解決してくれる。
すると、先程の倉庫の扉が開かれた。
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