第11話 出会い


「おいおい、逃がさねぇぞ!」


「あー言う事聞いて貰わないと手が滑りそう」


「こんな事してただで済むと思っているのですか?恥を知りなさい!!!」


「えぇ?聞こえねーな?」


 今私は、知らない屈強な男達、数十人に囲まれていた。

 あの男達はスマホをカメラがわりにして私に向けて動画にして録画されている。


("一人で行動するのは間違っていたか")


 黒服達に私が指示を仰いであの罪の無い高校生は現在も追い詰められている。

 罪悪感を感じた私はいつも護衛をつけて動くのだが、居ても経ってもいられなくなり衝動的に家を飛び出し、人気のない山道にあるコンビニへと足を運んでいた。

 すると、その帰りに厄介な者達に捕まってしまった。

 

 私の正体を知ってるのも無理はない。

 資産家の娘で、テレビやSNSなどで豪邸やその他の土地を紹介されたりして、一躍有名になった。そのおかげもあってか、使わなくなった土地や建物の価値が飛躍的に伸びた。

 しかし、良いことばかりではない。

 有名になる事によって今回みたいにこのような事態に巻き込まれる事もある。

 しかし、今の私達の財産は昔のようにはないそれどころか、、、。

 

 「まーそいつは人質として使って、貰えるもん全部貰っておくぞ!が、その前に、、、」


 「な、何をするつもり!?」


 男は薄笑いを浮かべる。

 この瞬間、経験上何をさせようとしているのか嫌でも分かってしまう。


 「これほどの上玉なんかなかなかお目にかかれないからな。少しはその身体で楽しませてもらうぞ!」


 自分でも言うのもなんだが、容姿はかなり良い方だ。

 地位が高いというのもあり、普段から身なりには気を使っている。



 じわじわと近づいてくる。


("これが私の罰か、、、当然だ。何の罪の無い青年を巻き込んだんだから、、、。私だけ何も無く生きようだなんて虫のいい話だわ")


 大声を出しても、誰も反応してくれないだろう。

 ゆっくりと目を瞑り、抗うのをやめた。

 武術の心得があるから対抗は出来るのかもしれない。だがこんな人数相手では、、、その希望すらも、、、。

 

 

 肩に触れられる。

 拒絶反応なのか、身体がビクッとした。


 ("あー終わりだ、、、私")


全てを諦めかけたところ

 「どけろ、邪魔だ、、、」







 あの声を聞いてから何分経ったのだろうか?

 何か殴ってるようなな音や金属の音がして怖くて目を開けられなかったが、今現在ピタリと止んだ。


 先程と比べて、人の気配や、声などが全く聞こえない。

 深呼吸をして、恐る恐ると目をゆっくり開く。

 すると、今一番気にかけていた存在が目に入る。

 '漆 修也'だ。


「え、え、何で?どうして?」


何故そこにいるのか?どうして助けてくれたのか?を聞き出そうとしてたが混乱していて、頭が回らない。


すると、


 「目が覚めたか?倉庫に俺と一緒に来てもらう!」


 不敵の笑みを浮かべた彼は、最初の頃に出会った頃に比べてたくましく見えて、オーラや覇気が凄かった。

 そんな彼に見惚れていると、、、

 

 「おい、聞こえなかったか?お前も一緒にここに落ちるか?」


 斜め下に指を出された方向に目を向けると10メートル程、崖の下に彼らが腹を抑えながら横たわっていた。


 「安心しろ。スマホは全部壊しておいた。

あいつらが目覚めたところで何も出来ない。ここ周辺には防犯カメラすらもついていないだろうからな。」


 「でも、、、わたしあなたに酷いこと、、、」


 「お前の戯れ事は聞きたくない。それより選べ!俺に着いてきて指示に従うか、ここであいつらと同じようにくたばるか」


 私はこんな状況にも関わらず、、、彼の瞳から未だに目が離せなかった。

 なんて、格好いいのだろう。

 彼は悪になるつもりではあるが、とてもそんなふうには見えない。

 最初から容姿は整っていたのだが、そうなのとは違う。今の彼には、他の言葉に形容し難い程に魅力がある。

観るだけでも、、、心が苦しくなるくらいドキドキする。

 年下に、、、しかも一晩だけでこんなにも変わるなんて、、、。


 「はい、つ、着いていきます。」


 「このバイク借りるぞ!さっさと後ろに乗れ」

 

気分が絶頂の中、後ろのバイクに跨り彼の背中に手を回して抱きつく。


「そういえば、お前の名前なんだ?」


宮本みやもと はるかです!」


 罪悪感はあるが、、、出来ればこの時間が永遠に続いてほしい。





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更新が遅れてしまい申し訳ありません。

急いで書きました。

誤字などがあれば、コメントでお願いします。

沢山のフォローとお星様ありがとうございます。



 



 



 

 

 



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