決意
俺は溜め息を吐いてから、インターホンを押してみる。
'はーい'と母の声を聞いてから、少し物音を立てた後に、耳触りのいい声がして玄関を開けてその人物は少し覗く。
俺の姿を見た直後、少し笑みを浮かべた優しそうな表情からから一転し見る者全てが怯むように変化していく。
「消え失せろっ!」
俺が一言も発する暇もなくガチャっと扉が閉まり再び鍵を掛けられる。
よく分からないが俺の知らないとこで何かが起きてて冤罪か何かでっち上げられているというのはまず、間違いないな。
一体誰が?何の目的で、俺が何をした事になっているのか全く持って謎だ。
ただ、俺の言い分を誰も一切耳を傾けてくれない辺りその情報元は俺以上に信頼を寄せている者なのだろうか?全く想像がつかない。
'はぁー'、と溜め息と吐くと同時に天を仰いでいると俺の家の前にとんでもない物が降ってきた。
机やタンスや、俺の家具一式を雫が俺に向かって2階から投げつけてきたのだ。
まあ、流石に今日起きた事を含めたらあまり驚く事でもないが...。
呆然と雫を見ていると、
「こっちに視線むけんな!.....それ持ってはやくどこかに行って」
「なあ雫、俺「あぁーっ!!!」」
「もぅーうるさい、二度と戻ってくんな!」
俺に弁解の余地すらも与えてもらえず、今朝と打って変わって毛嫌いするどころか存在する事すらも許してくれなさそうな強い圧を感じた。
胸が雑巾を絞るように、凄く締め付けられて・・・くるしい。
("叶うものなら感情をはやく何処かに売り払いたい")
身内にも信じて貰えないどころか話す事すらも拒否され、俺はもうただ壊れているロボットみたいに小刻みに振動しながら笑うしかなかった。
前日、どうやってあいつら幼馴染を嵌めようかと考えていたあの日が遥か昔に思えるぐらい、、、いや、、、
恨み?辛み?怒り?今俺は何を思っているのだろう。
この時でもちゃんと笑えているのかな、いつもみたいに。
日が暮れているのに視界が一気にクリアとなっていく。
なんだ、これ?走馬灯なのか?
目の前の景色がどんどん昔の記憶へと遡っていき視界が暗くなっていく。
そして、瞼の裏に光が宿り断片的に記憶が映し出されていく。
花梨と隼人の3人で俺の家に泊まったり、家族の皆でバーベキューしながらどんちゃん騒ぎをしたり、クラスメイトの誕生日を来る度にサプライズとしてプレゼントを渡した時の喜ぶ顔だったり、これから生きる長い人生に比べてたったの17年しか生きてないが毎日毎日がイベントの積み重ねであった。
ある意味、今日が一番のイベントで生きてきて長く苦しい一日だった。
('ここで終われない絶対に終わらせない')
俺は誓った。
もう一度ここへ戻ってくる時には.....全てが終わっている事だろう。
思いに耽ている時、何者かが後ろから制服がボロボロになって露わとなっている俺の肩を優しくたたかれ声を掛けられた。
「大丈夫ですか?」
ゆっくりと後ろを振り返ったところ、、、
今日最大の警鐘が鳴った。
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ハーレム系を書こうと思っていたのですが、あれ?何を書いてるんだろう。
たくさんのお星さまとフォローとコメントの方ありがとうございます!!!
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