編集後記

かつて、海産物の名前を冠する主人公とキャラクター達が織りなす物語りの一つに、ワカメの名を冠する少女が『編集後記』を書きたいがために、校内新聞を始めるというネタがあった。

だからという訳でもないが、ここに編集後記を添付する。


本作、100万文字を越え、無事完結です。カクヨムコンの応募要件10万字を100万字と見間違えていたのが懐かしい。流石に途中でおかしいと思いましたけど。100万字以上の小説を公募するなんてなかなかないと思います。


今度のおっさん物語はいかがだったでしょうか。貝になったおっさんと、ヒロインであるおっさん好きのヒルが織りなす異世界&現代ファンタジーなんて珍しかったでしょう?


さて、前作の『600人の異世界転移』が200万文字でしたので、文字数的に本作はその約半分です。ですが、前作の一話当たりPVだだ減り(一話が8770PV⇒一章完結時約3000PV⇒最終話付近約500PV)に対し、今作は最初の頃500PVからその後アベレージ200PV弱(最後は多分100くらいか?)なので、最初にきてくださった読者の大半が残ってくださったということになります。さらに、★の数を初期PVで割ると、『600人』が0.057★/人、『三匹』が0.1★/人ですので、率は本作の方が高いのです。



最初のタップは前作より人を選んだが、評価してくださった率はとても高いといえるのではないでしょうか。


Web小説は序盤面白くてもエターナルな作品が多いですからね。Web小説の需要と性質を考えると、そうなるのも致し方ないとは思うし、需要があれば供給もあるのが自然ではあるのですけど。ただ、ちょっと言いたいこともあるわけで。


普通にご都合主義なら納得する筆者なのですが、ちょっと待てというのも多く。詳しく書くとこれだけで相当語れそうで、編集後記から逸脱しますので書きません。



さて、お気づきかと思いますが、この小説のテーマは、『Web小説界の流行病に対する皮肉』なのです。


お前だって異世界転生俺つぇえってテンプレやってんじゃん、と言われそうですが、私は別に日頃のこころの癒やしや息抜きを、現実世界の小説ではなく異世界に求め、約束されたハッピーエンド、最強主人公、さらには悪にはちゃんと鉄槌を降ろしたりして、可処分時間の少ない現代において極短時間でストレスを解消する、私は、そういうWeb小説としての在り方を批判するつもりはありません。


皮肉を言いたいのは、何故追放されるのか理解出来ない、どこが悪役令嬢なのか分からない。なぜ婚約破棄されるのか分からない。何故その努力の仕方が今まで公になっていないのかが分からない。何故そこで性的反応示さないのか分からない。何故ここで世界を滅ぼすほどの逆恨みをするのか分からない。何故その努力で最強になるのか分からない。ゲームの世界? 配信者? 中世西洋文明レベルでスローライフ? 人気漫画のまんまパクリ。など、流行だからとその要素を入れたはいいが、あまりにも突っ込みどころが多すぎて、途中で何とか戻したり開き直って突き進むのならまだしも、エターナルになるという作品のなんと多いことか。


この小説『三匹のおっさん 異世界を切る』ですが、では、一章毎に『追放』『婚約破棄』『インポおじさん』『逆恨み』『努力』を象徴する出来事が起こり、それを三匹が解決する、というものだったのです。


最初に電車のシーンを入れて、夜の居酒屋赤城で飲んで、仲間と一緒にバスに跳ねられ異世界転移、いろんな切り口で物語が進み、最後に怪人『追放』みたいなヤツが出てきて、戦闘して倒して、そして日本に戻るという感じ。次の『婚約破棄』には嫁と一緒に異世界に行き、『インポ』の時には綾子さんと異世界に行き、『努力』の時には娘と一緒に異世界に、エロ有り笑いありの一章10~20話くらいの掌編が連続で続くようなドタバタ小説です。


あ、嫁の裏設定は、実は異世界モノが大好きというやつで、旦那もそうだったなんて知らなくって、夫婦仲は冷え切っていたんですが、一緒に異世界にいってドタバタ劇やって仲直りするというプロットだったのですが、没になったので本作の嫁が謎人物になっています。本作で最後に嫁との関係がまともになっているのは、異世界に行ってチートになって帰って来た旦那をどこかヒーロー視していたのかもしれませんね。あるいはカミサマと思しき存在がネットに流していた謎小説を読んだのかもしれません。


話を戻すと。


ところがこれ、1章1章の準備量が半端では無く、1章分だけで1つの小説が作れちゃうようなやつなので、これは駄目だなと。少なくとも1日1話更新の連載小説でやることではないなと。


ごめんなさい、急遽変更。


もう一つのネット小説の流行病、『意思を持つ神』を隠しテーマとし、神を呪う少女(?)をヒロインに抜擢、異世界の国家のこともしっかり造って、創作神話も頑張って入れ込みました。結果、ギャグは少なめに。


ネット小説における大事な大事な冒頭は、このヒロインに託しました。シーンはどこかで鉄板と書いてあった、いわゆる死体転がしにしました。ほんのりと、この小説が戦争物だというのが分かってなかなか良かったのではないかと思います。


しかし、冒険の初期にお色気役で出したモンスター娘をあまりにも(筆者が)気に入ってしまい、ヒロイン登場までに時間が掛かってしまったのは反省点です。何度もお別れをしたはずなのですが、何時のまにか一緒に行動するという。この子ら、初期プロットにも改訂プロットの書き出しにも一筆もいなかったはず。一体どこから出てきたのか謎存在なのです。でも、後悔していません。


しずくの登場が、1話の次が166話という、約240話の小説なのに、このバランスの悪さ。プロットとは何か、という。


あまりにも起承転結の前半部分が長くなったため、強制的にしずくさんに登場してもらい、おっさんらを日本に帰していただきました。逆異世界転移が起きたのが章の途中なのはこんな理由があったのです。


だがしかし、その頃には異世界のキャラが立ってしまい、異世界パートも無視出来なくなり、日本編を短く(正直に言うと気力が尽きたところもある。結果、しずくと妖怪の活躍場面が減る)してラスト章に突入。


癖で実在する世界各国の反応を書いたりして話の腰を折るという、普通の書籍小説なら多分あり得ない構成を経て、ラスト・ダンスに至ります。


とはいえ最強ヒロインは、あまりにも初期に出してしまうと、その後の展開が難しくなると思うんです。どこかで弱体化させるか、一旦お別れするか。それとももっと強い敵を出して、なんだ最強じゃないじゃんっとするか。いずれにせよ結構ストレスが掛かると思うのです。


しずくさんはラスト際に大活躍したし、エピローグは嫁とレミィに奪われましたが、登場回が少なくても、この物語のヒロインは『神敵しずく』なのです。それは間違い無しなのです。


そんなこんなでここまでお読みくださった方、ありがとうございました。毎日連載が続けられたのも、ギリギリまで手直ししたり推敲したりして物語がよくなっていったのも皆様のおかげです。やはり、読者がいての作品なのです。


さて、次回作です。趣味小説は続けます。今年も本業がやばそうですが、可能な限り頑張ります。


ここまできたら、おっさん主人公作家(?)として、次期作もおっさん勝負かなぁと思っています。何の勝負か知りませんが。予定は連絡無く変更になる可能性がありますが、必ずおっさんは出てくるような物語りになると思います。


モンスター娘はエロくなりすぎるからちょっと躊躇しますが、妖怪娘ならいいかなぁ。でも妖怪娘は濃すぎですべてを食いそうなのが怖いです。



そんなわけで、しばらく充電期間に入ります。


次こそは毎日投稿というマイルールに追われながら書くのではなく、ちゃんと一旦書いて、推敲しながら時には書き直し、それなりに完成させてから投稿しようかなと思っておりますが、どうせ投稿し出すと今回のモンスター娘みたいなのが出てくるんだろうなと思っております。


私の拙作は、実は2作(600人の異世界転移と、本作の三匹のおっさん)とも下書きプロットを皆様と一緒に作成したという感じなのかもしれませんね。


そう思うと、この二作は、いつかもう少しまともなプロットと文章と表現でリメイクしたいなとは思っていますがね。消費期限がこないうちに。


でも、もう一作くらいは書き下ろしドバーッとやるかなぁと思っております。


ネタもプロットもまだありませんが。悪役令嬢が流行だから、たまには流行を取り入れるかなぁ。悪いおっさんとか? それとも、また魔術戦争ものかなぁ。最近の若者はモンスターとか知らないって話し聞くし、ゴブリンとかの定番モンスター止めて妖怪にするかなとか思っています。この作品にもモンスターほぼ出てこないし。


気が向いたら近況ノートアップします。感想でもいいのでお寄せください。


それでは皆さん、またどこかでお会いしましょう。


Fin

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三匹のおっさん 異世界を切る チートをもらったおっさん達が異世界を放浪するとき、世の中がなぜか動き出す 蛇ヶ谷四十九 @49ike

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