第6話 モンスター娘とのBBQ
「「「かんぱぁ~い!」」」
「「おっつかれ~」」
バーベキュー宴会が始まった。ここから後少しで補給可能な街があるから、少々、余計に飲み食いしてもいいらしい。なので、モンスター娘達は、俺達という異分子を迎え、宴会を催してくれた。いい人達だと思った。
早速、ケイティがジークに絡まれている。
ジークはにやにやしながら、「なあなあ、チン○くんよぉ。お前、そんなに女とやりたいのかよ。まさかスキルにあんなのがついているなんてな」と言った。
「う、うぐ」
「しかし、マジカルTiNPOなんて特殊なスキル、よく宿そうなんて思ったなあ。お前、男娼か何かか? 一体、誰とするつもりだったんだ?」と、ジーク。
「まあ。それを使うと一体どんなセック○になるのでしょう。是非、見学させてください」と、ケイティのスキル鑑定をしたグレー美女、多分、トカゲ娘が言った。瞳が縦長で、手の甲に鱗が生えている。お尻には立派な尻尾が生えているし。
「ええ~俺は嫌だぜ。そんなの。やっぱ、リアルがいいもんな。誰か試してやれよ。そのマジカルTiNPO」と、ジーク。
「スキルで強制ア○メなんて嫌です。私は見ているだけで良いです」と、グレー美人がにこりと笑って言った。
ケイティのスキルは、鑑定、マジカルTiNPO、生活魔術、雷魔術、不死身、言語理解と言うラインナップであった。一体、何をしたかったことやら……
ジークはよほど壺にハマったのか、ケイティのスキルを見た瞬間笑い転げ、すんなりとキャラバンに相乗りさせてくれることになった。一応、信頼されたようだ。
「しかしよ、鑑定や生活魔術、それに不死身とか言語理解とかよ、その辺はいいんだよ。でも、なんでマジカルTiNPOなんだ? 見たことないぜ、そんなスキル。一体誰が創ったんだ?」と、ジークが言った。
そう。この世界のスキルは、その殆どが誰かが創ったものなんだと。
というか、まずは魔力があり、その魔力を使って何かを起す行為を魔術という。
そしてスキルとは、その魔術を特定の目的に到達しやすいように最適化してあらかじめプログラミングし、人体にインストールしておくもののことを言う。
例えば、マジカルTiNPO。すなわち、『あらゆるヒトがよがり狂い、無理矢理やっても問題にならない最強のTiNPO。立つも行くもいかせるも避妊も自由自在。病気もうつらない』というスキルなら、生物魔術による自身の前立腺の操作、相手の性感帯への干渉、そして性病がうつらないようにする魔術や、妊娠しなくさせる何らかの措置を引き起こす魔術などがセットになっているらしい。いちいち、一つ一つの術式を念じなくても、発動させれば魔力を消費するだけでその結果を得ることが出来るものが『スキル』というわけだ。無理矢理やっても問題にならないという部分が謎だけど。
なお、このスキルというもの、簡単なものはスキル屋さんに行けばお金で買える代物らしい。そのほか、魔術学校で教わったり、あるいは師匠が弟子に伝承するもの、一家相伝のもの、国家機密の軍用スキルなどがあり、強力なものは、その内容や術の構築方法など、概ね秘匿されているらしい。
注意点は、一度体に宿したスキルは、基本的に消せないこと。魔術的な回路を体に焼き付けるためらしい。
中には盗みを働くためのスキルなどもあり、貴金属を扱うようなお店に入るには、そのようなスキルがないことを示す必要があるし、高位の身分の者にしか伝承されないようなスキルを所有していると、社会的信頼も高いものになる。
中には、神が創ったとされる特殊なスキルがある他、国際的に禁止されているスキルもあるとか。
そう、スキルとは、この世界において、まさにアイデンティティそのものだったのだ。
だから、マジカルTiNPOを持つケイティは、セック○することが商売である人物とみられてしまうらしい。
世の中にはそういう人もいるだろうから、別に恥ずべきことではないんだろうが……
問題は、女性だらけのこの集団に、ケイティのエロスキルが知れ渡ったということ。でも、ジーク達の人柄なのか、引くどころか、逆に興味津々といった感じで、普通に打ち解けている。
俺は、「まあまあ、そんなにいじめてやるなよ。ケイティも悪気はなかったんだ」と言って、フォローしておく。
「そういうことにしといてやんよ。単にやりたかっただけだろうからな。だがな、こいつからは童貞の匂いがする。あまりにかわいそうだから、俺が今晩奪ってやろうか? んん?」と、デーモン娘のジークさん。冗談に聞こえないのだが。
しかし、ケイティが童貞か……まあ、彼は独身だし、それもあり得るか。恥ずかしそうにちらちらとジークの谷間に視線を向けているし。だけど、ジークとのセック○かぁ。偏見だけど、何だか凄そうだなぁ。
ジークは、全身紫色の巨乳娘だ。お尻もプリッとしていて良く弾みそうだ。正直、絡まれているケイティがうらやましい。プライベートゾーンが近いし。
俺がジークとケイティを見比べていると、後ろから気配がする。
振り向くと、アンモナイト娘がいて、「やあ、飲んでるかい? スキル無しくん。私と飲もうよ」と言った。
大きな巻き貝の口から細い触手を沢山出して、器用に地面を進んでいる。
巨大な巻き貝から細身の女体がぬるりと出ており、服は着ていないと思うが、器用に貝の蓋の部分で大事な所を隠していた。
そのアンモナイト娘の手には、お酒の入ったコップが握られていた。
「あ、はい。どうも」と言って、乾杯に応じる。
「おう、ピーカブー、お前が男に絡むなんて珍しいな」と、ジークが言った。
ピーカブーっていうのがこのアンモナイト娘の名前らしい。体中、髪の毛まで粘液でヌルヌルしている。
この子の下半身は、一体どうなっているんだろう。
目がぎょろっとしていて一瞬不気味だが、よく見ると整った顔をしている。
ピーカブーさんは、「うん。私、この人がいい」と言った。どういう意味だ?
ジークは真顔で、「ん? まあ、こいつらは、何故か俺たちを見ても気持ち悪がらない。むしろいやらしい目付きでじろじろと見てくる。合意のもとならいいんじゃないか?」と言った。
俺が意味が解らないって顔をしていると、グレー美人が「まあ、ピーカブーさんに彼氏が? それは素敵、セック○見学させて」と言った。
どうもこの人はこういう人らしい。まあ、彼氏ということは、俺と付き合いたいと言うことか。でも、俺は嫁も子供もいるんだぞ?
「付き合うとかの話は置いておいて、お前はよくスキルなしで生きて来られたなぁ。ある意味すげぇ変り者だぞ? 普通は何か宿しているもんだ」と、ジークが言った。
ジークのお陰で話が元に戻った。話が変な方向に行かなくてよかった。
ピーカブーさんは美人だと思うが、異世界に転移したその日にアンモナイト娘とお付き合いするのも躊躇してしまう。
うまく、話題がセック○から逸れたところで、「そうか。ところで、スキルのアンインストール、すなわち消すことは出来ないのか?」と、聞いてみる。
ジークは、「単純なアンインストールは基本出来ない。だが、統合や上位互換に昇華させることはできる。何も知らないんだな」と言った。
「まあ、日本という国には、スキルがなかったからな」と、答えておく。俺たちは異世界転移者だと言ったら、信じてくれるだろうか。
ジークは、「ふうん。スキルがない国か。まあ、俺たちが知らないだけで、世の中にはあるのかも知れないな」と言った。そういえば、彼女は自分たちを田舎者だと言った。そして、このキャラバンの目的の一つが情報収集だとも。
俺は、ついでとばかりに色々と質問してみることにした。
ひとまず、「ところで、なんでこのキャラバンは女性だけなんだ?」と聞いてみた。
多分だけど、ここで男は俺とケイティだけだ。
「ん? ほんっとうに何も知らないんだな。俺たちは、女しかいないぜ。男はいない」と、ジーク。
「マジかよ。女しかいないのか。でも、子供はどうすんだよ。全員不老不死?」
「んな訳ないだろ。俺たちは、他の国の男とセック○して、同族の子供を産むのさ。子供は全員女だ。そんな種族だ」と、ジークが言った。あっけらかんとしている。
「そうか。大変だな。ああ、だから、こういったキャラバンも必要なのか」と、呟く。
「そう。このキャラバンは、基本、年頃の女ばかりが同行している。男を捜す旅でもあるのさ」と、ジーク。
なるほど。確かにこのキャラバンの女性は皆年頃のように感じる。
回りをぐるっと見渡す。若すぎるのも年上すぎるのもいない。皆体付きが女性だ。ちびっ子と思っていた女性もいるが、よく見ると背が小さいだけで、体付きは大人だ。ところで、巨乳の胴体ライオン娘なんて、パンツはいていないんだが、大丈夫なんだろうか。ウマ娘も。腰には薄い布が掛けてある感じなんだが、歩くとひらひらして見えそうになる。
俺の隣にぴったりとくっついていたピーカブーさんは、「そう。私の子供は、あなたのがいい」と言った。まじかよ。異世界に転移した瞬間に嫁さんができるパターンかよ。
「まあ、ピーカブーさん大胆。良かったわねぇ」と、グレー美人。
「アンモナイト娘はあまり人にはモテないからな。伴侶が見つからない時は、優秀な騎士や官僚に多額の費用を払って子種を貰うときもあるのさ」と、ジークが言った。まるで中世の日本の田舎みたいだな。血が濃くなるから、近くをお侍さんが通った時などに、村の若い娘を抱いて貰っていたとかなんとか。
「お金ならある」と、ピーカブーさん。俺を金で買うつもりなのか? 複雑な気分だ。
「まあまあ、あまりがっつくと嫌われるぞ。宴はまだ始まったばかりだ。楽しく酔ったら、タダでさせてくれるかもしれんぞ?」と、ジークさん。
「わかった。まずは飲む」と、ピーカブーさん。ジークは悪魔見たいな見た目をしているが、案外常識人なようだ。
ジークは、「さてと、じゃあ、ケイティの女性遍歴でも聞くか。根掘り葉掘り話せ」と言って、ケイティのコップにお酒を注ぐ。
俺の横のピーカブーさんは、レモン系の果汁入りのお酒を造ってくれた。
何かと世話を焼きたがる人なんだろうか。
ケイティは、「じゃ、じゃあ、まずは初彼女の話から始めてやる」と言った。こいつはなかなかの強心臓の持ち主ではなかろうか。ジークの人柄もあるんだろうが、なんやかやと立ち直っている。
その時、「それは嘘。あなたは、女性とお付き合いしたことはない」と、ライオン娘がしゃべった。金髪くせっ毛の彼女、少し派手目の顔だが、美人だ。そしておっぱいが大きい。
「言っておくが、お前の後ろのライオン娘は嘘を看破できるからな」と、ジーク。嘘を見破るスキルというものがあるらしい。
それを聞いたケイティの顔が、少し青ざめた。
・・・
モンスター娘達と、色んなお話をする。料理も美味しいし、お酒も不味くはない。
そして……ケイティは、やはり童貞であることがばれた。いや、いわゆる素人童貞というやつだった。
ケイティがしゃべる内容に関し、ライオン娘が『それは嘘』『これは嘘じゃない』といちいち口を挟むのだ。
ケイティも真面目に質疑応答を頑張るから、みんな面白がって質問しまくった。お陰で俺はあまりいじられなかった。
そんなこんなで、俺たちの異世界最初の夜は過ぎていく。
少し、お酒に酔った頭で考える。
ここは、一体どこなんだろう。俺たちはどうなるのか。日本はどうなっているのだろう。俺たちがいなくなったから、綾子さんは心配しているだろうか。もし、俺があっちの世界で死んでいる、もしくは行方不明になっていた場合、嫁や子供はなんと思うだろう。そういえば、もう一人の小田原さんはどこに?
色んな考えが頭をよぎる。
今は縁もたけなわ。モンスター娘達も後片付けをしたり、歯磨きなどを開始した。
俺は、手持ちぶたさで周りをきょろきょろする。ところで、寝床とかどうするんだろう。
ジークとケイティは、いつの間にか姿が見えない。あいつら、本当にここでセック○するつもりなのか?
そんな時、ちょいちょいと、俺の肩を何かがつつく。
後ろを振り返ると、そこにはアンモナイト娘のピーカブーさんがいた。この人、後ろから話かける癖でもあるんだろうか。
ピーカブーさんは、「あなたはこっち」と言った。彼女、おそらくそこそこ酔っている。
俺は、お酒を持って、アンモナイト娘と一緒に川縁の方に移動した。
俺、貝は好きだ。だけど、それは食べる方で、性的に好きなわけではないのだが、なんて思ってしまった。
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