落ちぶれる高貴
ひとから情けないと言われて
私は呆然としたのですよ
そんなことを言われても
ピンとこないほどに
私は落ちぶれてしまったのかと
本当かどうかは重要ではないのです
ただそのひとが私を
何も解さない頭の弱い娘だと思い
実際にその瞬間おさまってしまった
私のちっぽけさが
泣きたくなる所以と言っているのです
今まで培ってきたもの全てが
あのたった一言によって
なかったことになった
難を逃れるために頭の弱いふりをして
すると君には難しい話であろうと
易しいことも私の前では
うんと難いお話となってしまった
しかしどんな難より逃れるべきは
逃れるべきは頭の弱いふりをすること
頭の弱いと扱われること
ああまさかこんな遠いところまで来て
あなたを見ることになろうとは
落ちぶれたとも気づかないでいる
私を見せることになろうとは
夢にも思わずにただひたすら
雪を踏み分けた夜の日でございます
新天地 うさみゆづる @usamiusausa
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★18 エッセイ・ノンフィクション 連載中 35話
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