革命と命

お水が降って来ました

冷たいお水が空から降って来ました

口を開けたら喉を伝って

身体の奥に飲み込まれていきました

落ちぶれちゃいました

高いとこから転がり落ちちゃいました

見上げたら眩しくって

目を瞑っちゃいました

胸から喘鳴が聞こえて

明日からどう生きていこう

着のみ着のままやって来たものですから

賭けられるものは命しかないんです

命をかけましょうか

だって仕方ないんだもの

芸も学もないなら命しかないんだもの

それだけは誰でも平等ね

もしかするともう元の自分には

戻れないかもしれないけれど

ああだってしょうがないんだもの

命と引き換えに

衣食住くれるっていうんだから

なにもないのよ

そうなるべくして生まれて来たんだもの

じゃああなたが養ってくれるの

聖人君子らしく導いてくれるの

ああ嘆いたりしないで

そういう世界の仕組みなんだもの

仕方ないことなんだもの

嘆いたりしないで

あなたが革命を起こせなくとも

だれもあなたを責めはしない

だってあなたは革命家じゃないんだから

嘆いたりしないで

だって八十億分の一なんだから

八十億分の一の命なんだから

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