泣き給へ

泣き給へ

さめざめと泣き給へ

火をつけたらば

灰も空髙く舞おふ

雨を吸つて

ぼた雪となろふ

君が雪を降らせたと言つて

一体誰が君を責めよふ

泣き給へ

おんおんと泣き給へ

列車を乗り継ひで

乗り継ひだその先に

もう霧は見ゑまいぞ

声を髙らかに響かせるのだ

もう霧は見ゑまいぞ!

木霊となつて遠くへしみよふ

誰が聞ひて非ずとも

誰かが其れを聞ひていよふ

さあ泣き給へ

しくしくと泣き給へ

もう誰も責めまい!

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