第23話 草むしり
「では、説明を続けさせてください」
アイリスは涙を拭き、受付台の引き出しから、手のひらサイズの四角い板を取り出した。
「?」
手渡された板は、白く、左上に俺の名前。
そして、真ん中に大きく【F】と書かれている。
「……これは?」
「これは会員証です」
裏面には規約が書かれている。
・ギルドを通さずクエストを攻略した場合は、原則報酬にならない。
・ギルド会員の争いについては、ギルドは一切関与しない。
・ギルドが不適格と判断した者は退会処分となる。
「Fって?」
「アオイさんがいくら強かろうが、ここではFランクからスタートです」
「さいですか」
「FランクはFランクのクエストしか受注できません。実績を積めば、EからSと上がって行けます。これは先程も説明した様に、自分の実力を過信して無茶なクエストを受注して死んでしまう冒険者を無くすためです」
なるほど。
先程説明された悲劇に対して、対策が練られていたわけか。
俺がいない間にギルドも変わったみたいだ。
「じゃ、FランクからEランクになったら。FとEのクエストを受けられるんだな」
「もちろんです。上位互換の考え方と同じです」
「分かった。じゃ、Fランクのクエストはどんなものがある」
「……そうですね、草むしりとか……」
は?
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます