第27話 光るものすべて金ならず

 球技大会は優衣とアオイがめちゃくちゃに活躍して終わった。伊織も伊織なりに頑張っていた。もちろん褒めに褒めてあげるつもりだ。俺? 俺は頭脳派だからな。監督役よ。参謀と言ってもいいかもしれない。それとも相次ぐラフプレーに揉まれて途中から包帯でぐるぐる巻きになっていたと言ったほうがいいだろうか。許せんよな。


 球技大会が終われば親睦会、カラオケでの打ち上げだ。アオイと伊織は帰るが俺は参加する。女子も多く参加するからな。つまり下心である。俺は女子といちゃつきたかったのだが男子どもに揉まれて完全な男子部屋へと幽閉された。くそっ、離せ! 俺は女子といちゃつくんだよぉ〜! そう思って抵抗したが無理そうだったので歌いまくった。男だけのカラオケも悪くない。喉がガラガラになってしまった。


 と言うかお前らは女子といちゃつきたくねぇのか? 落ち着いてから俺は尋ねた。男子部屋と女子部屋は完全に別れているわけではない。ここだけが異常だ。ジョン、お前は? 俺は親衛隊の男に視線を向ける。彼は憮然として答えた。


「リオ以外の女子に興味はない」


 そう言って他の女子にアプローチされて流されない男とか居ないと思うが……まあいい。オタクくんは?


「女子に興味がないわけではござらんが……恥ずかしいですからな」


 それ正直に言えるあたりオタクくんのことは好きだぜ。ついでにと演劇部の生徒にも尋ねる。お前は?


「テメェを野放しにしとくほうが危険だろ」


 なぜか警戒されているらしい。やれやれ。俺は肩をすくめた。しかしこのままではつまらない。女子を巻き込むことにしよう。


 俺はトイレに行くついでに女子生徒を複数人連れ出して先程まで居た男子部屋へと放り込んだ。ガチガチに緊張する男子どもの完成だ。硬派ぶりやがって。そう思いながら俺はガチガチになっていた。優衣と仲が良い女子が俺を囲む。


「んで! 斎賀くんって結局優衣とはどーゆー関係なワケ?」


「そうそう! 優衣ってスキンシップ激しめだけど、だからこそ男子にはけっこー線を引いてるって言うか……距離は近いんだけど、絶対に譲らない線があるってゆーか?」


「そこんところ、斎賀くんに対してはミョーにゆるいんだよねぃ。優衣にも聞きたいところだけどぉ〜……」


「斎賀くんにも、ちょこっとお聞きしたいな〜と思いまして! ……あ、コレ食べる? あ〜ん」


 ギャルさんが俺に切り分けたハニトーを差し出す。ガチガチになりながらもパクっといただくと「お、食べた食べた〜」と動物園で餌やりを見たときみたいなリアクションをされる。くそっ、見世物じゃねぇぞ! しかしそんな反応でも女子にされると嬉しくなってしまうのが男のサガだ。へへっ……。そんなふうにへらへらとだらしない笑みが自然と浮かぶ。俺の人生の終着点はここだったのか……?


「なんでみんな斎賀くんのこと囲んでるの……?」


 そこで現れたるは我らが天使、優衣さんだ。彼女は戸惑ったような表情で俺を囲むギャルさんたちのことを見る。


「あ、ゆいゆい。いやー、斎賀くんと優衣ってどうなのカナーと思いまして」


「そんなの、私に直接聞いてくれたらいいのに」


「や、優衣に聞いても『仲良くしてるよ!』って言いながらペカーって純粋キラキラ笑顔を返されて変なこと考えてごめんなさいってなっちゃうから」


「展開が読めるよね」


 うんうんとうなずき合うギャルさんたち。わかる。天使モードの優衣ならそんな感じで返しそうだよな。


「だって仲良くしてるし……?」


 しかし天使さんは『当たり前だ』とばかりに首を傾げる。これ天然? どっち? 小悪魔モードを知っている俺でもわからない。


「あーしらが聞きたいのは付き合ってるのかどうかー……みたいなことなんですよ」


「あ、言った」


 単刀直入にギャルさんが尋ねる。優衣はどう答えるのか。以前の話を考えれば誤解させてもおかしくはないが……。


 優衣は答えた。


「そういう関係じゃないよー。ね、斎賀くんっ」


 そのパターンか。平然と答える優衣に俺は納得した。『優衣はそう言ってるけど……実際のところは?』と視線で尋ねるギャルさんに俺も答える。


「優衣の言う通りだ。そういう関係じゃない」


 と言っても、単にこう答えるだけではまだ疑いが晴れることはないだろう。優衣って呼んでるしな。そう考えると優衣の狙いは『どっちつかず』なところにあるのかもしれない。あくまでも『疑惑』に留めておく。落としどころとしては悪くないだろう。


 ギャルさんたちは言った。


「あー、やっぱり? 優衣だもんねー」


「優衣と斎賀くんじゃね。と言うか斎賀くんじゃなくても学校の男子とか誰でも釣り合わないけど」


「優衣には恋はまだ早い」


「ゆ〜い〜。あんたの恋人は私たちだかんね〜」


 ……あれ?


 予想外の反応をするギャルさんたちに俺は固まった。彼女たちはそそくさと俺から離れて優衣さんにぎゅ〜っと密着している。


「ちょ、ちょっとみんな、近すぎだって〜」


 ギャルハーレムを築く優衣さんが困ってると言いながら嬉しそうな笑顔を浮かべた。


 ゆ、許せねぇ……っ! 俺のギャルハーレムを、よくも……!


 ギリッ……と俺は歯軋りをした。


 ギャルハーレムは男の夢である。それを手にしている優衣のことが、俺は羨ましくてたまらなかった……。




      *




 そんなこんなで親睦会は無事に終わった。なんだかんだ女子ともいちゃつけたので満足だ。


 あとはもう解散するだけだ。親しい友人どうしで二次会なんてことをするやつも居るかもしれないが、基本的には解散だ。優衣もね。むしろ優衣が居たら永遠にみんな帰らないからな……。ギャルさんたちだけではなく、優衣はクラスメイト全員と仲が良いのだから。


 誰からも愛される天使。それが天羽優衣だ。


 成績は常に一位。運動神経も抜群で、すべてにおいて優れた完璧超人。 


 有名アパレル会社の社長令嬢でもあり、モデルも務める天使の如き美貌の持ち主。


 性格もまさに天使のようで、万人に優しく、万人に等しく接する。天真爛漫、天衣無縫。感情豊かで裏表なんて欠片も感じさせないそんな彼女を嫌うことができる人間なんて居るだろうか?


 ――もちろん、居ないわけがない。


「……天羽?」


 声が、聞こえた。


 カラオケを出てすぐ、解散する前のひとときに、大勢でたむろしている俺たちのことを鬱陶しげに見やる一人の少女。


 別の高校の生徒だ。制服を着崩している。ゆるく巻いた亜麻色の髪をした、つり目がちの少女だ。連れが居る。友人だろうか。ちょうど彼女たちもどこかで遊んだ帰りだったのかもしれない。


 優衣のことを知る人間は多い。同年代なら同じ小学校や中学校に通っていたのかもしれないし、実際に会ったことがなくとも彼女はモデルだ。話しかけられることもなくはない。


 だから、特に何も思わなかった。ただ優衣のことを名字で呼び捨てするのは珍しいと思ったが……ないことじゃないだろう。


 警戒心が薄れていた。


 俺自身勘違いされやすい人間だ。やけに不機嫌そうな表情も、声も、ただの特徴だろうと思ってしまった。


 その声には明確な敵意が含まれていたのに。


「え? あっ、キリ―― 」


 優衣が声に気付いて少女を見る。表情は変わらない。微かに驚いたように目を見開き――久しぶり、とでも言おうとしたのだろうか。笑顔とともに声を上げようとした、そのとき。


「ハッ、呆れた。天羽……アンタ、まだ『天使』なんてやってるの?」


 その言葉に優衣は固まる。俺も眉を上げてしまう。……こいつ、まさか。


 嘲笑を浮かべた少女は固まる優衣ではなく周囲の生徒に目を向ける。それは、あるいは憐れむような表情でもあり。


「それで? アンタたちはみんな天羽に騙されてるってわけ? ハッ、天使なんて居るわけないじゃない。どうせまた八方美人気取ってるんでしょうけど……そんな人間に、裏がないわけがない」


 そう言って少女は優衣を睨む。強い敵意だ。名前を呼ばれたとき、優衣は明るく挨拶しようとしていた。つまり確執があるわけでない。


 では、どうして彼女はこんなにも優衣に敵意を向けているのか。


「――バカにして」


 思わず、といった調子で優衣が微かに後ずさる。鬼気迫る様子に誰も口を挟むことができない。しかし彼女の友人も居る。「キリちゃん……」と心配そうにする友人の子だ。そのことを思い出したのだろう。彼女の表情がふっとやわらぐ。ただ、強い敵意だけは剥き出しにしたまま。


「ずっといい顔してたけど、裏ではアタシたちのことバカにしてたんでしょ? そりゃアンタからすればアタシたちなんて格下も格下よね。生きる世界が違う。生まれたときからぜんぶ持ってて、苦労なんてしたことだってないんでしょう? ……ねぇ、楽しかった? アタシたちのことバカにして、騙し続けるのが楽しかったの?」


 彼女は笑う。攻撃的な笑顔だ。彼女の友人は……当たり前だが、あちら側の立場だ。いきなり優衣のことを糾弾し始めた少女に対して驚いてはいる様子だが、こちらに感じる敵意からして少女の味方であることは間違いないのだろう。


 ……こんなやつなのに、いい友人に恵まれたものだ。


「アンタたちも、ヘラヘラしてないでバカにされてるって自覚くらい――」


「それは僻みか?」


 こちらに水を向けようとした少女に尋ねる。俺たち全体を見回すようにしていた視線が不機嫌そうに俺に向かう。


「は? ……いきなり何よ、関係ないやつがでしゃばって」


「いきなり意味わかんねぇことまくし立て始めたのはお前だろ。そろそろ終わるかなって思ったらずっと話し続けてんだもんな。口を挟む暇もない。もっと早く言えばよかった」


 本当に。これに関しては強く思う。……優衣の様子を窺う。顔が青ざめて、浅い呼吸を繰り返している。クラスメイトの様子を窺う。心配そうに優衣を見たり、俺と少女を見たりしている。


 ……くそっ。遅すぎた。もっと早い段階で止めることもできたはずだ。判断が遅い。しかし後悔している暇はない。


「なんっ――」


「優衣はなんでもできるもんな? 勉強も運動もそれ以外も。容姿だってめちゃくちゃ良い。だからこう聞いてるんだよ。『僻みか?』ってな」


 少女の瞳が血の色に染まる。わかりやすく激昂している。狙い通りだ。俺はにやにやと嫌味ったらしい笑みを浮かべる。楽しそうにしろ。嘲笑しろ。虚勢を張れ。相手を『滑稽な道化』にしてやれ。実際にどうかなんて関係ない。『聴衆からどう思われるか』だ。


 こいつの言っていることが実際に僻みかどうかなんてどうでもいい。優衣が隙を出すことはほとんどないだろうが『前例がある』。俺が居る。なら、同じように優衣が愚痴でも言っているところを見たことがあるのかもしれない。


 だが、そんなことはどうだっていい。

 黒でも白に変えればいい。

 人を裁くのは人だ。神じゃない。 


 人なら俺は騙してやれる。


「惚れた男が優衣に想いを寄せていた、とか? なぁ? ありがちなパターンだろ? 逆恨みにはもってこいだ。お? 図星か? ハハッ、笑える。優衣がお前をバカにしてるかどうかなんてわからないが――俺はお前をバカにしてるよ」


 見下す。少女の肩がびくりと震える。俺の目付きは悪い。いくら目の前の少女が威勢のいい少女だとは言っても、俺の目の前では気勢も殺がれるというものだろう。


「警告してやろうって態度も気に入らない。何様だよ。『真実に気付いた私が無知蒙昧な哀れな子羊に真実を教えてあげましょう』って? 陰謀論とか好きなタイプか? ネットで真実に目覚めちゃうタイプだな。もしかしたらお前は善意でその『真実』とやらを教えてくれたのかもしれない。どうもありがとう。余計なお世話だよ『真実』ちゃん」


 煽る。煽る。煽っていく。……気が強いな。いくら煽っているとは言え俺に見られてここまで気張るか。気圧されてはいるが、今なお俺に対する強い憤りを感じる。ギラギラと眼光鋭く俺を睨む。


 ……冷静さを奪っておいてよかった。もしまともに頭が回るなら俺がしていることは論点ずらしのようなものだとわかるだろう。ただの人格攻撃だ。典型的な詭弁だな。レッテル貼りの対人論証。まったく褒められるものではない。


 だが、『典型的』なんて言われるほどに有効的なものでもある。


「そもそも、だ。……お前は優衣が俺たちをバカにしてるだのなんだのと言っていたが、そういうお前はどうなんだ? 訳知り顔で上から目線で『教えてやってる』なんて態度をとって……お前がいちばん他人のことをバカにしてるだろ」


「っ……」


 少女が俺を睨みつける。歯を食いしばり、今にも噛み付いてきそうな猛獣じみた目だ。


「……天羽は」


 絞り出すように、口を開く。


「アタシたちを――アンタたちを、対等だとは思ってない。どうせ、アンタたちもそうでしょう? いつだって『もらって』ばっかりで……アンタたちは、天羽に何かしてあげた?」


「してもらうばっかりだったくせに逆恨みしてんのか? 恩知らずにも程があるな」


「そんなのしてほしいだなんて言ってない!」叫ぶ。「そんなこと……一言だって、頼んでない」


「プライドを逆撫でされたってことか。優しさを優しさだとも受け取れずに『バカにしてるから』って……それ、よく考えたか? バカにしててどうして優しくするんだよ」


「バカにしてるから優しくするのよ。下に見てるってことだから――」


「お前が勝手にそう受け取ってるだけだろ? それを逆恨みだって言ってるんだよ」


 どういう着地をすればいいのか。考えながら誘導する。周囲の目を確認。……予想通り、この少女と俺、どちらもに対してちょっと『引く』ような態度だな。彼女の友人からは敵意が込められた目で見られている。当たり前だな。口出しは……する気がなさそうだ。都合が良い。

 もちろん、俺のほうもそうだ。クラスメイトは少女に対して『おかしい』と思っている様子だが、同じようなことを俺に対しても思っている。薄情なやつらめ。彼女の友人くらい俺のことを思ってくれてもいいんだが? そう思いもするが俺のことなんかより優衣のことのほうが絶対的に大事だからな。俺たちよりも優衣のことを心配している。


「それで? 開口一番人を馬鹿にしてるだのなんだの言い出したお前は何がしたかったんだ? ただスッキリしたかっただけか? 劣等感を爆発させて、自分に良くしてくれた相手のことを勝手に『自分をバカにしていた』だなんて思い込んで当たり散らして――迷惑なんてもんじゃないな。なぁ? どう思う? どう思うんだって聞いてんだよ」


 顔を近づけて尋ねる。彼女は俺を睨んだままだ。しかし、耐えかねたように一度視線をぷいっと逸らして、


「……迷惑を、かけたことは謝るわ」


 そう、口にした。だが。


「でも」


 彼女はもう一度優衣を見た。強い敵意が込められた視線。彼女は言う。


「天羽。アンタのことは、許さないから」


 びくり、と優衣の身体が震える。……潮時だな。とりあえず『こいつが難癖をつけてきているだけ』と思わせるって目的は達成できたと見て問題ない。彼女自身その自覚はあるのだろう。それを認めさせた。なら、これ以上追及するのはやめてやろう。


 ただ。


「許さないって何がだよ。お前に許すかどうかとか決める権利なんてないに決まってるだろ。逆だよ逆。優衣とか俺たちのほうがお前を許すかどうかだろうが。せっかく楽しい時間を過ごしてたってのに最後に水を差されてこちとら気分は最悪なんだよ。なぁ? わかるか? 家族でたまの贅沢にとワクワクしながら外食しに出かけたら帰るときにいきなり難癖つけられてぜんぶ台無しになったときみたいな気持ちだよ。それまで楽しく笑っていた母親も車の中で落ち込んだ様子で子どもは泣いて、団欒なんてまったくなくて楽しい思い出が最悪な一日に早変わり。お前がしたのはそういうことだぞ? 他人の幸せを奪ったってことを自覚しろ。反省しろ。けっ! とっとと帰って反省会でも開いとけ! バカがぁ!」


 それはそれとして気が済まないのでめちゃくちゃに当たり散らした。


 途中からクラスメイトに『言い過ぎ』として羽交い締めにされたし少女は友人に守られていた。それを見てさらに「いきなり人に当たり散らしてきたくせに陰に隠れてんじゃねぇーよ! 臆病者が! そんなに怖いなら尻尾振ってさっさと逃げろよ! その背中を嘲笑ってやるからよぉ〜!」なんて言えば彼女たちは捨て台詞もなしにそそくさと帰っていった。あの少女だけ「うぅ〜……!」と涙目ながら何か言いたげにしていたが、友人たちに無理やり気味に連行されていた。

 ハッ! 勝った! 雑魚が! 塩でも撒いとけ塩でも! 俺は勝ち誇って塩を撒いた。クラスメイトにドン引きされた。


 と言っても、俺のことなんて気にしてるのは少数だ。みんな優衣を心配していた。


 そのことを優衣もわかっていたのだろう。彼女は笑顔を浮かべて「私は大丈夫! みんな、ありがとう!」なんて言っていた。


 しかし、みんなわかっている。さっきまでの優衣がどんな状態だったのか。それを見ている、彼らからすれば。


「あー……うん。ごめん、確かにちょっとショックだったけど……仕方ないから。みんなの気持ちは嬉しいんだけど、せっかく楽しい一日だったんだし、楽しくお別れしたいなー……って」


 だめかな? と優衣が尋ねる。そう言われてしまっては断ることなんてできなかった。


「それじゃあ、みんな! また学校でね!」


 優衣は明るくそう言っていた。みんないつも通りに振る舞おうとしていた。いくらぎこちなくとも――表面上は、なんでもないように振る舞おうとしていた。


 あの少女が難癖をつけていたことは明らかだ。そう思わせることには成功しただろう。


 だが、だからこそ心配だということはあるだろう。あんなことを言われたのだ。あれだけ敵意を向けられたのだ。心配になって当たり前だ。なかったことにはできない。


 そして。


 あの少女が難癖をつけていただけだと決して思うことができない者が一人居る。


 優衣だけは、そんなことは思えない。


 彼女だけは、そんなことは信じられない。


 ……それから、優衣は何事もないように振る舞っていた。学校に来ても、いつも通りに振る舞おうとしていた。


 だが、週末を跨いだ、次の月曜日。


 優衣は学校を休んだ。


 次の日も、その次の日も――


 優衣は、学校に来なくなった。

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