第7話 ボクちゃん 7 教職員Ⅱ
ボクちゃん 7
教職員Ⅱ
男性陣は、山岡先生の他に、文学的才能を持っている、と自負する室井先生がいる。
その語り口調は正に文学的で、その話ぶりには何か賛同しあえるようなものがある気持ちがする、しかし顔面を見てみると、目などは猫のような顔相で、恰も動物のような雰囲気である。
そして、この先生は、目付きが妙に変化する。
猫のような目付きになったり、素直な明るい目になったり、邪悪な悪者のような目になったり、、、と
驚くほど目付きが変わるのであれる。
その変化には、誠に理解し難いものがある。
この室井先生を猫男と名付けた。
もう一人は、自分は何でも知っている、という田村先生がいた。
妙に先輩面して、年下の者をすぐに貶す。
その言葉も実に偉そうにである。
そして年上の教師には、対等にものを言う。
そのくせ、側で見ていると、何かよそよそしくて、貧弱な感じのする先生で、面構えも僕の気に入るような面構えではない。
口ひげが非常に濃い。
いつも無精髭で現れて、何処か肌があわないところがある。
この先生に、くも助という名を付けた。
何でも知っている、というけれど、一体何処まで知っていたら、知っているといえるのか、と僕はそう思っていた。
そしてもう一人は、教頭と同様、少し頭の禿げた中年前の西川先生である。
聞くところによると、空手三段という。
「空手三段」この言葉は、児童達をすごくびびらせている。
僕も一時驚いた、が、話をすると妙に変わった面を持っている。
「世の中甘くない、小学生の頃から厳しく教えていかないと、社会に出たら通用しない、徹底的に厳しさを教えていかなければならない。」
このようなことを常々発言していた。
そのくせ、他の教師に対して腰が低い。
いつも「すみません、すみません」の連続で
女教師、年下の教師にも腰が低く、
何か自分を卑下しているような感じがする。
「何が空手三段だ」と、いうようなところがある。
この先生に対しても、「小学生の頃ぐらいは、素直に、、、子どもらしく、、、育てていけばいいのに、、、」
こんなことを思っていた。
以上がこの学校のメンバーである。
おっと、もう一人忘れていた。
僕と同年輩ぐらいの男の教師がいた。
これといった特徴はないが、話し方に問題がある。
「あのねー」とか「ねー」とか「うそー」とか、女っぽい口調で話をする。
言葉に癖のある男である。
僕は、この最も僕の年齢に近いこの先生を、カマ男と命名した。
正体は何だかわからない。
どうもいまいましい感じがする。
気心が違って、僕とは気があわない感じがする。
オカマチックな口調の癖に、児童に対しては命令はばかりしている。
普段はほとんどと言っていいほど話さない、黙っている。
少し風変わりな男で、本性のわからない人物である。
この男は、児童の前に出ると、妙に話術がうまくなる。
意外と弁が立つのである。
礼儀作法も心得ていて、児童を惹き付ける力も持っている。
そのくせ職員間では「うそー、うそー、ねー、ねー」の連発である。
またこの男の教師は、とにかく、よく鼻をかむのである。
職員室にいようが、いまいが、ところ構わず鼻をかむのである。
いつも、ポケットにティッシュペーパーを持っていて、鼻ばかりかんでいる。
そばにいても、滑稽なほどである。
万年の風邪でもひいているのか、とも思えた。
この男には、実に奇妙な姿を見せられることななってくる。
とにかくカマ男と呼ぶことにした。
同僚とまではいかないが、同じ独身者として、何か結びつきのある男だった。
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