第151話 義妹は、大会にエントリーする
だそう……というのは、実はこれが初参加なのよね。
そもそも競技としての弓術って、私からしたらお
優勝賞品も金一封とか、それなら仕事を
けれど今年は違った……旧ウォードル帝国グリフィン
私にとってこれは
きっと今年は良い子でいた私への神様のご褒美かしらね、なーんてね。
「はい、ガーネット・ダルマギクさん、登録完了です」
「おっしゃ、あとは優勝するだけだわ!」
参加者には登録番号が与えられる。
私は番号の書かれたタスキを手に取ると、やる気を
な・に・せ! 『
「あっ、ガーネットさーん!」
「あら
突然少し離れた場所から手を振っている女性がいた。受付嬢だわ。
受付嬢は普段のビシネス服ではなく、お洒落な洋服に身を包んで女子力の格の違いを教えてくれる。
ぐふ……これが都会の女子力!
受付嬢は嬉しそうに駆け寄って来る、
「ガーネットさん、頑張ってくださいね。応援しています」
「それ貴方が言っていいの? 他の冒険者も参加するんでしょう?」
「えへへ、でもガーネットさんは私の憧れですから」
憧れねえ……たしか彼女の方が
なんか
「それじゃあ、まっ、
「はいっ、
ちゃっかりしているわね、そういうのはザインに任せれば良いのよ、アイツどうせ
なんて
「来ましたねガーネット、さん。今日は本気でお願います」
テティスさんは、
やばい、照れたテティスさんすっごい
「
「ガーネットさん負けず
「当たり前でしょ、負けるのは
負けん気なくして冒険者は務まらないもの。
テティスさんはくすり、
「当然ですね、では
ぺこり、
私は彼女の背中を目で追いながら、この勝負について考える。
仮にもテティスさんは純血のエルフだ、
それにもう一人……個人的に
私よりも先んじて正確無比な弓矢の射撃をした
あの腕前なら、大会に参加する選手だと思うべきでしょう。
今年は優勝商品も
宣言通り負けてやるつもりはない、けれどこれはちょっと骨が折れるかもね。
「今年はエルフが二人も参加、本当に楽しみです」
一方受付嬢はお
でも気になる言葉を言ったわね。
「ねぇ、エルフって首都じゃ少ないの?」
「えっ? それはそうでしょう、ブリンセルには森もありませんし」
「そっかぁ、やっぱりエルフって
「あはは……、ガーネットさんがそれを言うとは」
私が種族的にはエルフでも、民族的にはブリンセル人のつもりだ。
でもエルフ族はそうではない、未だに森の中から出てこない者は多いようだ。
バーレーヌだと、時々見かけたんだけどねぇ。
「そう言えば、ブンガラヤ共和国にもエルフって、いるの知ってます?」
「そうなの? でもブンガラヤって海岸線の国でしょ?」
大陸の南岸を左右に伸びた細長い国土を持つブンガラヤ共和国。
雑誌かなにかで見た位しか知らないけれど。
けれど受付嬢はパンと、と手を叩くと、顔を私に寄せてきて。
「なんと、ブンガラヤには
「それってもうエルフなの……?」
古典的かも知れないけど、エルフってやっぱり陸の生き物よね?
海エルフって、生物学的に見てエルフなの?
私は空を見上げる、世界はやっぱり広いのね。
なんて
「ただいまより弓術大会を開催します! 参加選手は会場へとお集まり下さい!」
私は視線を会場へ向けると、パシッと顔を両手で叩いた。
「おっし、気合十分っ! いっちょやってやるわよー!」
私は自分に気合を入れると、会場へと歩き出した。
兄さんも見ているんだから、
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