第87話 真祖との闘い-1

 ニューヨークの魔物は駆逐された。

しかし、ダンジョンの気配は治まらない。

原因は一つ、ダンジョンボスの存在。


 「懐かしい気配と共に、まためんどくさいやつが現れたな。ヴァニキッシュか。」


 音速を超え、非常識な速度でこちらに向かってくる。


 「はぁ。仕方ねぇ。真祖ヴァニキッシュ。奴との因縁もここで断たねぇとな。」


 海外ではこの様子が中継されている。

衛星カメラによる放送は全世界共通で見られるようになっている。


 一人の青年が億を超える魔物を一撃で倒し、国民の命を救った。

その神の如き、力に猛烈に憧れた。


 ネットは熱狂し、信奉する者まで現れる始末。しかし、真祖ヴァニキッシュの脅威もまた知る事となった。


 闇王シルヴァの兄であり、異世界ベルセルクを混沌の世界へと変えた過去もある。


 そして霧雨の存在もまた同じく。


 「くははは。久しぶりだなゼノン。姿形は変わろうともその憎悪する魂までは変わっていない。弟の仇だ。貴様を殺してやる。」


 「弟?どんだけ昔の話をしてんだヴァニキッシュ。てめぇこそまたボコられてぇか。その自称美しい顔に傷をつけたのをもう忘れたのか?」


 「ふん。たまたま勝ちを拾えただけだろう。その首を狩り、ゾンビの餌にでもしてやろう。行くぞゼノン。」


 ヴァニキッシュの気が高まる。

血気術…以前上級吸血鬼が使用していたスキル。その上位互換である神血術を使用する。


 「血だらけだなここは。貴様がやったのだろうゼノン。俺の配下を殺しやがって。」


 こびりついた血を全て吸収するヴァニキッシュ。その全てが力になる。


 「まずは覗かせてもらうぜ。」



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【ヴァニキッシュ】

種族:真祖吸血鬼

存在格:error

状態:健康

HP:1000000/1000000 MP:500000/5000000

物攻:660000

防御:480000

魔攻:800000

魔防:680000

敏捷:680000

幸運:-


【状態異常耐性スキル】

『闇の加護』[最上位]共通スキル


【魔法耐性スキル】

『通常魔法無効』

『闇属性神級無効』


【環境耐性スキル】

『闇の加護』[最上位]共通スキル


【究極スキル】

『神血気操術』

『神血闘舞』

『神体化』

『常闇超強化』


【魔法】

『闇属性魔法』[神級]

『無属性魔法』[神級]


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 「相変わらずだな。流石にユニークスキルも神化してるか。」

 

 「神化は既に終わっている。貴様と違い、神にはなれなかった。見る目のない神々を殺し、俺が神になるがなぁ!!」


 「分をわきまえない不遜な野望か。その心が神になれない原因だと思うぞ。」


 「黙れ。」


 赤い目が開かれる。

逆鱗に触れた様だ。凄まじい真紅のオーラが立ち昇る。


 「ヴァニキッシュ。お前の野望はここまでだ。神々の代わりにお前を倒す。」


 真祖と不動の闘いが今はじまる!!

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