第81話 海外の探索者

 ここはアメリカ、ニューヨーク州。

アメリカ、いや、世界の中心と言っても過言ではないこの都市に1人の若者がいた。


 ハンターランキング堂々の2位。

名を【マルコ•サンチェス】。

齢25歳、190センチはある巨体に鍛え抜かれた筋肉、金色の髪が彼の魅力を高めている。


 ゲームヲタク、アニメヲタクな元軍人であり、戦闘分野、ファンタジーに対する理解力に関してはかなりのエリートと言えるだろう。


 この世界にダンジョンという非現実的なシステムが出来て日が浅いが、その持ち前の愛好家としての意欲とエリート級の格闘術でダンジョンを踏破した。


 不動という規格外を抜きに語るとその実力は間違いなくNo.1であると言えよう。


 彼のユニークスキル【魔剣•聖剣召喚】は特殊で強力な能力を有する剣を召喚できる。


 そのスキルは初めて攻略したダンジョンで得た物であり、彼は苦戦する事もなく初ダンジョンをクリアする要因となった。


 その能力は様々である。


 彼はそのスキルを用いて、108か所のダンジョンの内、早くも5か所の攻略に成功する。


 A級2カ所、B級3ヶ所。

A級ダンジョンを攻略するのにかなり時間がかかる。


 当時の世界記録はマルコが叩き出した五時間という他を寄せ付けないタイム。


 そして、アメリカでは探索者に対する優遇がかなり強く人気であり、連日、彼のダンジョン攻略がテレビで放送されている。


 やはり強き者をリスペクトするのがアメリカのスタイルなのかもしれない。


 アメリカの英雄、マルコはテレビ放送にゲスト出演する。


 「ハーイ、マルコ。初めまして司会のキャサリンよ。」


 「ハーイ、キャサリン。初めまして、ご機嫌はいかがかな?ゲストに呼んでくれてありがとう。」


 「こちらこそ来てくれてありがとう。早速だけど質問コーナーに行ってもいいかしら?」


 「OK。答えられる事なら。」


 「マルコあなたは今やアメリカのヒーローだけれど、ハンターとしてモンスターと戦うのは怖くないのかしら?」


 「怖くない…と言ったら嘘になるね。でも、いつも臆病な僕のお尻を叩いてくれる人がいるからね。その人の為にも僕はハンターとしてモンスターには負けられないんだ。」


 「そうなのね。ガールフレンドかしら?いえ、不躾な質問ね。では次の質問ね。ハンターとして意識している人は居るかしら?」


 「んー、良い質問だね。みんな良いハンターだからね優秀な人ばかりだし…。でも1人だけ挙げるとしたら彼…だね。Mr.Asora」


 「Mr.Asora?」


 「そうだよキャサリン。世界で一番の男さ。僕はね、彼に勝ちたいんだ。戦ってみたいのさ。」


 「我らの英雄がそれ程買っているその彼とは交流はあるのかしら?」


 「交流はないよ。でもいずれ戦ってみたいと思っているよ。僕はハンターだからね。」


 テレビ放送はまたまだ続き、人気者への質問は盛り上がりを見せた。


 だがこの後、アメリカは未曾有の大災害が起こる事となる。


 SS級ダンジョンのダンジョンブレイク。

世界探索者協会による緊急事態宣言に各国のトップハンターが集結する。

 















 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る