第73話 鹿羽VS不動
第二次元へと覚醒した鹿羽サイモン。
次はその実践と訓練をすべきだと不動から提案があった。その為にギルドの修練場へ来たのだと。
「サイモン。全力で来い。でなければ意味がないからな。」
ワクワクを我慢出来ず自然と笑みを浮かべるサイモン。
「不動さん。全力で行かせてもらいます。」
サイモンは一気に魔力を高め、ユニークスキル『水翼絶氷』を発動する。
第二次元を覚醒し、氷神を憑依させる。
髪の毛が白くなり、眼色も茶色から青へと変わる。
サイモンの周囲は凍てつくような温度に空気が白く輝く。
双剣を構え、それに氷神の神力を纏う。
青白い双剣を手に不動へと斬りかかる。
物凄い俊敏さに風を切る。
不動はあくまで自然体で立ち、左手に気剣を創り出す。
「氷神武技『双氷神剣』‼︎」
氷神の力と双剣の流れる様な華麗な剣術に不動は感心する。
「へぇ。だが…。」
回転し、華麗な双剣術にも一つ一つ対応し、不動は容易に防いでしまう。
「まだまだ!!水神憑依、水神魔技『水龍煌牙』‼︎」
水神の神力で創造した水の龍が不動を喰い殺さんと襲いかかる。
「サイモン。君は強くなった。褒美に少し力を見せよう。第三次元覚醒、刀神装具『夜』。」
不動の全身を夜の様に黒い外殻が覆う。
その外殻からは第二次元:憑依を大幅に超える神力を感じる。
不動は例外だが、その他の探索者にとって憑依とは人の身に神の力のほんの一部を宿らせ、己が力として発揮する為の手段でしかない。
この第三次元:装具•外殻は神の力を具現化し扱いやすくした上で効率化した技能である。
全てのステータス値が大幅に向上し、ユニークスキルの威力も大幅に上昇する。そして、この第三次元でしか放つ事の出来ない武技も存在する。
「行くぞサイモン。」
ギルド修練場にはバトルトーナメントで使用していた魔導具が使用されており、命を落としても肉体は修復される。
「第二次元ですら通過点なのか。この目で見てみたい。その先である第三次元を。」
黒き外殻を纏い、不動は動く。
サイモンの目では追えない程の速度。
「刀神絶技『桜花神乱』‼︎」
時空すらも歪む程の一撃。刀神の力が型を変えて制御下に置かれる。憑依が人の枠に神の力の一部をただ使う為の力の型ならば、装具•外殻は己の鎧として武器として神の力を具現化する。
桜の花びらのように舞い散る白き斬撃が何と美しい事か。その美しさには神々が悶え乱れるほど。その斬撃は一撃一撃が超絶級の魔法を超える。
その桜花が一斉にサイモンを襲い、サイモンの体は消滅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます