第70話 雷光のダンジョン

 りょうの父を助けだし、その元凶も始末した。そして国からの依頼を達成すべく再度雷光のダンジョンへと足を運んだ。


--------------------------------------------------------------


 A級ダンジョン。

仮に探索者ランキングの上位10名をS級とするなら2名。

国家戦力級探索者11位から100位をA級とするなら10名以上を擁してクリア可能な難易度のダンジョンである。

 奥には必ずダンジョンボスが存在し、ダンジョンコアを守護している。


 ダンジョンブレイク。

ダンジョンコアが成長しきり、ダンジョンと一体化し、守護する必要が無くなったダンジョンが守りから攻めへと転じた姿。

結果として守護者たるダンジョンボスやその配下が何かしらの目的を持ち、地球へと侵略する。


--------------------------------------------------------------


 単身A級ダンジョンへと乗り込む不動。

刀剣などの武器は持たず、闘気を具現化し、気剣なる武技で左手を覆う。


 白く神聖な力を感じる闘気を操り、次々と襲いかかる魔物を切り捨てていく。


 全20階層。

S級探索者がおよそ半月はかかるダンジョンを桁違いの早さで攻略していき、あっという間にダンジョンボスがいるフロア、最奥のフロアへと辿り着く。


 ダンジョンボスの後ろにはコアがあり、それを消滅又は、破壊すると攻略完了となる。


 ダンジョンは守護者たるボスを不動へとけしかける。


 A級ダンジョンとは言え、ボスの存在格はS級であり、ダンジョンの魔力を使い強化をはかる。


 雷光のダンジョンボス『雷光千手観音』。

千の手を持ち、神の雷を操る。本物の観音様では無い様だが、その力は地上の人間には神を彷彿とさせる。


 侵略者である不動に対し、初手から神雷を放つ。神雷は不動といえども被弾からの無効化は未だ不可能。


 同じ様に神雷を放ち、相殺する。


 「神雷とはな。流石にS級だからな。」


 不動に感情の変化は見られない。

山の如くその感情や心が動揺する事はあり得ない。


 ただの神雷なら飲み込むまで。

神とは真逆の存在である悪魔の神、魔神の力を使う。

魔神功で神雷を創り出し、漆黒の雷で三又の槍を創造する。


 黒く煌めく禍々しい槍を投擲する。

雷光千手観音も対抗する為、神雷を最大にし放つ。


 魔神の槍は神の雷すら喰らい尽くし、その権能を以って神雷を凌駕する。


 雷光千手観音の額を貫き、そのまま背後のダンジョンコアへと突き刺さる。


 粉々に砕けたダンジョンコア。


 ダンジョンクリアのアナウンスが世界中の人々の頭に響く。


 日本のダンジョンは残り18ヶ所。





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る