第42話 日本支部へのケジメ-1
日本支部へと戻った君室と下谷は、阿空家での件を嘘を交えて服部副支部長に報告した。
伝えた内容はこうだ。
我々は阿空家に行き、丁寧にお願いをしたがすげなくあしらわれた。
そこから何度も何度も頭を下げて、土下座までしたがそれでも無視された。
その後、土下座をしている君室の頭を足で踏みつけ、ギルドへの協力はしないと断固拒否されたと。
その報告を聞いた服部は拳を握りしめ、顔を真っ赤にして怒りのあまりプルプルと震えた。
「た、探索者如きが舐め腐りおって。タダじゃ済まさん。君室、アイツらを呼べ!!」
「アイツらというと危険判定の出た探索者の事ですか!?」
「そうだ。ダンジョンやモンスターの討伐より人を殺すのが好きな奴ら故、ランキングは200位圏外だが、実力は私も認める。アイツらならランキング1位だろうと腕の一本や二本なら余裕で斬り落としてくるだろう。そうなれば阿空の奴も我々に媚びへつらうしかあるまい。」
「くくくく。もう終わりだな。流石は服部副支部長。考える事がえげつない。」
「では早速奴らを呼んできてくれ。さっさと行け下谷。」
「ふ、ふぁい。行って参ります!!」
10分後
下谷は二人の探索者を連れてきた。
「副支部長お呼びで?」
「おぉ来たか。お前たち二人にはこいつを連れてきてもらいたい。生かしてさえ居れば問題は無い。」
服部は不動の写真を見せると探索者二人はニヤニヤと馬鹿にした様に笑う。
「随分と若いですね。まぁいいでしょう。それでいくら頂けます?」
「そうだな。二千万でどうだ?」
「了解。良いでしょう。おい大吾行くぞ。」
「ふぇい兄さん。」
✳︎
「よし、行け大吾。スキルで透明化してから行けよ。そのまま心臓をひと刺し。それで終わりだ。」
「かける兄さんは?」
「俺ぁお前が仕留め損なった時の為に奴が外に出てきた時に猛毒スキルで始末するさ。」
柴田兄弟。
地元でも悪逆非道の不良兄弟として有名であり、探索者となるとダンジョン内で殺人に目覚め新人探索者やスキルが戦闘向きではない探索者を殺す様になる。
兄の
弟の大吾は透明化スキルで相手に気づかれずに心臓や頭などの急所を攻撃する。姿が透明になるだけなので臭いや音は消せない。
不動の元に自分が強者だと勘違いしている馬鹿二人が自害も同然に向かうのであった。
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