第35話 鬼王と鬼王軍の動乱-1
都内。
ゲートから出てきた
人々は逃げ惑うが、所詮は唯の人間。
その走る速度は出ても20kmもないだろう。
対して、大鬼は逃げ惑う羽虫を追いかけるが如く、屠殺を繰り返す。
次々と殺され、そして、ゲートからは更に大鬼が現れる。
漸く、ハンターギルド日本支部から探索者が派遣されてきた。
一般探索者が多いようだが、中には存在格がD級まで上がっている者もいる。
ほとんどがFまたはE級の探索者のようだ。
一般探索者は協力して大鬼の討伐にあたる。
5人1組とし、大鬼一体に対処する。
自分のステータス値やスキルに見合った役割を決め、アタッカー、タンク、魔術師、回復師、付与師など分けられた。
一般探索者のパーティではかなり厳しそうではあるが、国家戦力級探索者や英雄級探索者の参戦まで踏ん張る為に派遣されていた。
ユニークスキル。
スキルの上位互換であり、個人がその個人である証のようなもの。
世界に1人だけが持つスキルである。
ユニークスキルを持つ者が国家戦力級、英雄級となるのだ。
それ程に強力な効果のスキルである。
そしてランキングとは、強さであり、討伐数であり、上位スキルの多さでもある。神々が作り上げたシステムが総合的に比較し決定している。
一般探索者は99.999%が通常スキルであり、
ランキングも一生涯を通じて上位に上がることは無い。
しかし、ここに1人のユニークスキル持ちの一般探索者が居た。
--------------------------------------------------------------
ユニークスキル。
『
能力は、闘気、魔力などの力を弾丸にする事ができる。闘気を込めた場合、物理攻撃力が上がり、貫通力が増加する。魔力を込めた場合、その属性に合った追加効果を得られる。
--------------------------------------------------------------
このユニークスキルを持つ者の名は
『
年齢は21歳と若く、灰色の短髪が特徴的な丈夫である。
新進気鋭のその人は探索者になったばかりだが、飛ぶ鳥を落とす勢いでランキングをあげている。
「この楽太郎がいればもう安心。鬼なんてこの銃でイチコロでさぁ。バキュンバキュンでもう終わりでさぁ。」
聞く人が聞けば何故か腹が立つその口癖が特徴の男。
自信満々に鬼を退治していく姿に、他の一般探索者は次第に落ち着きを感じた。
イケる。
この戦いにおいて、ハンターギルドからの依頼をクリアし、大鬼を倒せばスキルも増えるかもしれないし、レベルも上がるかもしれない。
もしかすると、存在格すら上がるかもとこの戦いに希望を見出す。
その希望が絶望へと変わることを彼らはまだ知らない。
次々と現れる
しかし、かなりの多さである。少しずつ疲れが出てきた。
ゲートからはまだまだ鬼が出てくる。
均衡が崩れはじめ、探索者の中にも死人が出始める。
足を潰され、手がちぎれる。頭は破裂し、体は吹き飛ばされる。
この世の地獄と化した戦場に
漸く英雄級、国家戦力級探索者が参戦した。
「大鬼よ僕達が相手っす!!」
「原田さん、勝手に出て行かないでくださいよ。不意打ちしようと思ったのに。」
「不意打ちなんてダメっすよ。影山くんはそれだから根暗坊やなんて言われるんすよ。」
「ちょっ!そんなの関係ないでしょ!!」
「ちょっと良いですかぁ〜?原田さんも影山さんも戦う前に味方同士で何やっちゃってるんですかぁ〜?」
「それは申し訳ないっす。吉原さんも準備オッケーっすか?じゃあ行きますよ!!」
ランキング99位原田謙三。
ランキング195位影山海斗。
ランキング198位吉原梨紗。
元自衛隊の原田が鬼王軍との熾烈な戦いに加わった。
--------------------------------------------------------------
作者より
皆様お元気ですか?
少しずつ読者が増えてきまして
何だか不思議な気持ちです。
会社員をやりながら、空いた時間でこの作品を少しずつ書いています。
夜中の更新が多いのもその為です。
皆様も日々疲れていながらも私なんかの作品を読んでいただき大変嬉しく思います。
こんな話が読んでみたいとかここはこうした方がカッコいいなんていう感想も頂けると参考にさせてもらえるかなと思っております。
あとついでに、レビュー、コメントもしていただけるととても励みになります。
少しずつの更新ですが、最後まで書き上げますのでお付き合いの程、よろしくお願い致します。
バサラより。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます