第27話 30階層のボスとダンジョンの事情
29階層で半日ほど休憩し、30階層へと向かった。30階層へと続く階段を降り、扉を開く。
今までの景色とは真逆の真っ白なフロアに不動は
誰かが空中に浮いている。
「ようこそ30階層へ。へぇ。不動君って言うんだね。」
「誰だてめぇ。」
何故か自分より遥かに上位者だと本能的に理解できる白髪の童がいた。
背丈は150センチほど。目は細めの見開いたら強キャラ感のある顔立ちだ。
「僕はこのダンジョンの管理者として、神々から任命された存在だよ。ダンジョンマスターって呼んでよ。」
普通はダンジョンマスターなんて最奥に居るものだろうと考えたが、何かの思惑、もしくは、仕方ない理由があるのかもと考えた。
「そのダンジョンマスターが何故この階層にいる。物語だと最奥に居て、ダンジョンを維持管理するのが役目だろう。」
「まぁ一般のダンジョンならそうなんだろうけど、僕は自然に出来た訳じゃないからね。
んー、これ以上はまだ言えない。神々にも約束したからね。」
「そうかい。それで俺はどうすればいいんだ?お前を倒せば良いのか?」
「ははは。今の君に僕が倒せるとは思えないけど。そんなことよりこれは君の前世と神々が約束した事なんだ。」
「約束?………覚えてねぇな。」
「それはそうだよ。記憶と力を代償にあちらの世界の輪廻から地球の輪廻へと移せたんだから。その体も大変だったんだよ?前世の体よりも更に才を重ねたんだから。」
「たしかにこの体は前世の体より闘いの才能を感じる。俺には戦闘に関しての記憶しかないが、大抵の事は出来るんだろうな。」
「当たり前だよ。神々がこのダンジョンと君に殆どの力を使ったんだから。その目的まではまだ言えないけどね。さて、話はここまで。30階層のボスは存在しない。僕と少しだけ力比べをしようか。それがこの階層の試練だよ。神々の力の結晶を感じると良いよ。」
「ハッ!!結局、
「加減はしてあげるよ。安心すると良い。」
不動はその言葉を圧倒的上位者からの挑発と受け取る。
怒りは力に変わり、雷化、身体強化を自身に施し、闇王すら一撃で屠った鬼神剣でダンジョンマスターへと斬りかかる。
音を置き去りにし、ソニックブームがダンジョンの壁を轟かせる。
刀剣がダンジョンマスターの首へと迫る。
その時、時間が停止した。
光さえ停止し、不動の体も思考も停まる。
(まぁそうだろうね。いくら天才でも時間の概念には抗えない。でもそれじゃあ駄目なんだ。奴らを倒すには万物を圧倒するくらい強くなって貰わないと。)
時間が動き出す。
そして、不動の剣が空を切る。
「………何をした。」
「時間を停めたんだ。時空神クロノスの力を使ってね。抗う方法は一つだけ。君もクロノスの力を得ることだ。その為の試練だよ。」
「時間を……。どうすればいい。」
「今からクロノスの力を君に分け与える。
耐え難い苦しみが君を待ち受ける。でもやって貰わないといけないんだ。」
「分かった。やるよ。そうしないと前世の俺がした約束を守れねぇんだろ?
ならやる以外の選択肢はねぇ。」
「ふふ。やっぱり君は君だね。生まれ変わっても何も変わらない。じゃあいくよ。」
ダンジョンマスターから光り輝く力の結晶が不動の胸元に入り込む。
「ぐぁああああああああああああああああああああああああ!!!!」
全身から噴き出る力の奔流が不動の体を傷つけて血が溢れていく。人の身に神の権能が宿ったのだ。
神級魔法すら扱う不動だがあくまでも、それは魔力を代償として使用しているに過ぎない。
神の権能とは神の
「辛いだろうけど耐えるしかないんだ。ごめんよ。」
口や目からも血が吐き出され、満身創痍となる。
体感時間で一週間は経過したのではないだろうか。
神の権能が体を作り変え、人の枠を超えた。
不動は亜神となり、時空神クロノスの権能の一部を使える様になった。
時を停める事は出来ないが、その力に抗うことは出来る。
他にも少しだけ出来る事が増えた。
「よく耐えたね。これからの展望を話そう。そして今地球で起こっている事を。」
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※次回は、不動がダンジョンを攻略している間に起こった事を説明する回になります。
意外とこのダンジョンと地球の時間の流れが違ってたりして。
ほんの少し未来になってたりして。
地球ではハンターという職業の人が活躍してたりして。
その中で現れた最強は何をして、そしてどう英雄となるのか。
ぶっちぎりに強いヤバい正体不明のランキング1位が世間にどう影響していくのか。
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