第19話 24階層は雨嵐、雷轟地帯
ご飯と休息を取り、万全な状態に近づけてから24階層へと降りた。
風が吹き荒れ、雨が肌に当たる強さは異常。
雷鳴が響き、辺りの木々が頭をしなだれかかる。
地面は雨で少し
「雨嵐はテンション下がんなぁ。金属製の刀は感電するから使えねぇ。」
そういうと無限収納へと刀を放り込む。
先ほどからずっと雷が近くに落ちてくる。
気のせいではない。
「ぜってぇ俺を狙ってんじゃん雷よぉ。まぁ進まないと行けねぇからやるけどよ。」
感電しない様に完璧な魔力操作で
水属性魔法を使い、超純水を作り出し
体に膜を付ける。更に頭上にも超純水でバリアを貼る様に風属性魔法で浮かせる。
超純水とは、極度に純度の高い水であり
ミネラルや有機物、素粒子などを除いた絶縁性の極めて高い水である。
この雨嵐地帯は魔物への対応より
下階層への階段を見つけるのを優先した。
身体強化で瞬時に加速し、雨で超純水へと混入したチリや粒子を魔法で排除しつつ、階段を探す。
階段が見えた所で、魔物が現れた。
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【
種族:幻獣種
存在格:A[68]
状態:健康
HP:3120/3120 MP:3200/3200
物攻:200
防御:800
魔攻:1500
魔防:800
敏捷:2500
幸運:30
【ユニークスキル】
『神雷』
『
【状態異常耐性スキル】
『感電無効』
【魔法耐性スキル】
『雷属性魔法無効』
【環境耐性スキル】
『雷吸収』
【魔法】
『雷属性魔法』[上級]
【武技】
『雷纏突撃』[A級]
【通常スキル】
『剛爪』
『剛嘴』
『斬羽』
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※天眼スキルにより解析。
【ユニークスキル】
スキル名『神雷』
•神の雷である真紅の雷を操ることが可能となる。
通常の雷とは性質が異なり、絶縁性の最高の物も貫くことが出来る。
与えるダメージもかなり上昇する。
【ユニークスキル】
スキル名『雷速疾風』
•自身を雷と同化させ、雷化状態で攻撃することが可能となる。
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体長1メートル程の大きな鳥型の魔物で体中には電気を帯びている。
迸る電気は明らかに人間を感電死させられるレベルの強さに見て取れる。
バチバチと大きな音を立てて、翼を羽ばたかせてこちらに飛んできた。
敏捷の数値に見て取れるように雷と見紛うほどの俊敏さを感じる。
寸前で避け、彼方へと神雷鳥は飛んでいく。
一瞬で250メートルは移動した。
雷鳴つまり雷の音の速さは秒速340mというが、近いレベルの速度である。
「はえぇな。怠惰の牛野郎よりも速く感じる。しかもあいつより図体は小さい分、更に細かく動けて速いというより疾い。」
神雷鳥の速度に驚き、しかも体に当たれば超純水のバリアは飛び散るのは必須。その後に待っているのは感電である。
「流石に今の体の強度なら感電して少し痺れるくらいだとは思うが、その時に魔法なんて喰らったらちょっとやべぇな……。」
そんなことを言っていたら、またバチバチという音が聞こえ、今度は突っ込んでくる訳ではなさそうだ。
すると、神雷鳥は真紅の雷を放つ。
不動の体を突き抜ける。超純水により守られていたはずの不動を。
不動の体からは焦げたような臭いがして、白目を向き、筋肉が硬直する。
一瞬の硬直に神雷鳥は容赦なく攻撃を仕掛ける。
再度、翼を羽ばたかせ突っ込んでくる。
一瞬、硬直し気絶しかけたが何とか持ち直し、氷雪属性魔法で神雷鳥へ反撃をする。
HPも4分の1ほど削られ、ダメージから上手く魔力も操作できなかったが何とか氷槍を作って攻撃を仕掛けたが、神雷鳥は持ち前の俊敏さで避ける。
しかし、少しの時間を作れた不動が立て直しを図る。
「マジで厄介だな雷ぃ!!しかもめちゃくちゃいてぇ。けど音の速度で動けたらおもしれーだろうな。」
神雷鳥は雷を纏う。
全身の速度に関係する神経や筋肉を雷で刺激し生物の限界速度を軽く超えてくる。
存在格の上位者のみが可能とする強さは創意工夫を持って、または、進化の果てに作り出された強さである。
これを真似しない手はない。不動は神雷鳥が行っているように自身の筋肉と神経を雷属性魔法で刺激しようと考えた。
「まずはてめーの魔法を模倣させてもらうぜ。特徴は掴んだ。」
雷属性魔法の魔力の波長と仕組みに自分の魔力を合致させていく。
次第に不動の体からはバチバチと青い稲妻が迸る。
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【魔法】
『雷属性魔法』を取得しました。
※ 『
既に取得している魔法も【絶級】へと昇格されます。
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自身のアイデンティティである雷を模倣された神雷鳥はプライドが傷ついたのか今までで最大の魔力を込め、真紅の雷を放つ。
不動は雷属性の魔力を纏い、更に、身体強化を施し、音速を超える。
真紅の雷は不動の速度には追いつかず、簡単に避けられる。
「くははは。おもしれー。速すぎてこの眼が無いと反応も体の操作も出来やしないがな。」
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【環境耐性スキル】
『雷無効』を取得しました。
【魔法耐性スキル】
『雷属性魔法無効』スキルを取得しました。
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「今頃かい。まぁ自分の雷に体が慣れたせいだろうから仕方ない。さてそろそろ終幕だ鳥野郎。お前のおかげでまた強くなれた。」
全身へと稲妻を纏ったまま、氷剣で神雷鳥の首を斬り落とす。
神雷鳥ですら反応出来ない速度へと達したが、天眼の動体視力と反応で完璧な身体操作を実現した。
『レベルアップしました。現在のレベルは71です。』
「強かったな。ダメージも喰らっちゃったし厄介さでは怠惰の次くらいか。」
戦いの記憶を反芻しながら、階段を降り次の階層へと向かう。
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※耐性系スキルの区分けは
耐〇〇〈〇〇無効〈〇〇吸収
です。
耐〇〇系は半減。
〇〇無効は無効。
〇〇吸収はMP回復の効果があります。
〇〇耐性は下位スキル。
〇〇無効は上位スキル。
〇〇吸収は最上位スキル。
となります。
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