第8話 スキルと鑑定と11階層

 

軒並みパラメーターが上がり、存在格もBランクへと上がっていた。


 新しいスキルも増え、それもユニーク等級。

更なる力を鑑定した。


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刀剣神覚トウケンノサトリ

・刀剣類支配系の最高峰。

 あらゆる刀剣に通じ、使用時に最高ランクの刀剣術、操作、武器耐久、刀剣支配力が最大限に補正される。

 刀剣の潜在能力を最大まで引き出す事が出来る。

世界にただ1人だけのスキル。


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「何かえげつないスキル増えてんな。まぁあのクソ強い番人を倒したから当然か。」


 11階層は、今までの階層とは異なり、木々が生い茂る大自然の階層だった。


 暑くもなく寒くもない生物が生きる上で快適さが保たれたこの階層では、多種多様な魔物が住んでいる。


 獣型だけでなく、植物型の魔物まで棲息していて、四方から敵意を感じられる。


 野生の環境そのもの。


 気を抜いたら怪我では済まされないのがここの平常の環境である。


 「何か色々いるな。さっさと突破するか。」


 足早に過ぎ去ろうとする速度はもはや人間の域を超えた。


 存在格がBランクにまで成長した不動は、

そこらの魔物には意識すら追いつかない速度にまで達している。


 「まぁこのまま攻略するのも味気ないか。何か面白い魔物でも探すか。」


 五感で周囲の気配を索敵する。

すると、周囲にはかなりの数の魔物がいた。



【ポイズンエイプ】

存在格:E[13]

状態:健康

HP:52/52 MP:25/25

物攻:30

防御:25

魔攻:25

魔防:28

敏捷:35

幸運:5


【スキル】

『毒手』

『毒液』

『毒耐性』


 見つけたのはポイズンエイプ。


 天眼で把握した内容から、毒を上手く使った戦闘方法をして来そうだ。


 今現在では、不動としては戦いたくない相手。


 なぜなら、状態異常に耐性が無いから。


 「どういう原理で耐性を持つんだ?免疫的な事なのか、魔力的な事なのか、んーちょい試してみるか。……よっと。」


 ポイズンエイプに向かって、武者が使っていた飛ぶ斬撃を放つ。


 ズバッと縦に分断されるポイズンエイプ。

ポイズンエイプを解体し、毒液と魔石を回収する。


 毒液をナイフに塗り込む。


「これを別のポイズンエイプにぶっ刺して試験してみるか。おっ、いたいた。」


 ポイズンエイプにナイフを投擲。


 ズブリと刺さり、毒が注入される。

 痛みと毒でポイズンエイプはのたうち回るが、わざと浅めに刺さる様に投げたので、ナイフは暴れる勢いで地面に落下した。

 

 天眼で観察すると、どうやら魔力を使って毒に対抗しているらしい。


 免疫機能に魔力を使ってブーストをかける。

耐性の無い生き物よりも毒に対しての生存能力を魔力を利用して対策しているのだろう。


 おそらくは、細菌やウイルスに対しても同じ事をしている。


 さくっと飛ぶ斬撃でポイズンエイプを始末する。


 「こんな感じか。」


 不動は、ポイズンエイプがやっていた様に体内の魔力を操作し、見よう見まねで再現した。


「でも……こっちの方が効率的だろ。」


 ポイズンエイプがやっていた以上に、魔力の操作を精密に行い始めた。


 その効果は抜群に高まり、体内の澱んだ気を体外へと排出し始めた。


 「うわ。何か臭えな!!老廃物か?これは。」


 体内の老廃物やウイルス、悪玉菌などを体外へと排出すると排泄物に似た悪臭を放つ。


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【状態異常耐性スキル】

『猛毒無効』を取得しました。


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 スキル獲得のアナウンスが聞こえた。

ポイズンエイプの持つ耐性より高度なスキルを獲得することができた。


 悪臭を放った甲斐があったもんだ。

しかし、あまりの悪臭に嫌な気持ちになったが何とか気持ちを切り替えて次の獲物を探す。


 「次の獲物は利便性に富んだスキル持ちがいいな。例えば臭いを消すやつとか臭いを消すやつとか臭いを消すやつとか。」


 しばらく索敵をしながら歩いていると綺麗な花が咲いているエリアに到着する。


 「流石にこれも魔物か。何て魔物なんだ?見た目は綺麗だけどな。」


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【魔水仙】

存在格:E[11]

状態:健康

HP:30/30 MP:55/55

物攻:10

防御:10

魔攻:45

魔防:55

敏捷:0

幸運:3


【スキル】

『成長加速』


【魔法】

『無属性魔法』[初級]

『水属性魔法』[初級]



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 魔水仙と呼ばれるこの植物を観察していると

周辺の毒素や汚れを魔法を使って浄化しているようだ。

 近くに寄ってきた生物に水の球をぶつけて追い払っている。


 天眼スキルで観察する。

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※天眼スキルにて解析。


無属性魔法

・属性には特色がなく、誰でも取得可能な魔法。生活魔法や身体強化などが主に使用される。使用できる魔法は魔法操作の練度と経験に左右される。

 初級、中級、上級、絶級、超絶級、災害級、破滅級、神級、神滅級に分類される。



無属性魔法『浄化』

・悪臭、汚れ、病原菌などを美化し、浄化してくれる。

 無属性魔法[初級]に分類される。


『水属性魔法』

・水属性の魔法を扱える。使用できる魔法は魔法操作の練度と経験に左右される。

 初級、中級、上級、絶級、超絶級、災害級、破滅級、神級、神滅級に分類される。


水属性魔法【アクアボール】

・圧縮した水を作り出し、敵にぶつける。

 水属性魔法[初級]に分類される。


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 「なるほどな。水属性魔法も是非とも取得したいね。まぁまずは浄化が先だな。」


 足元の泥を掬いあげ、魔水仙に向かって投げてみた。


 泥だらけになった魔水仙は浄化を使い綺麗になった瞬間、不動に向かって水属性魔法『アクアボール』を放って来た。


 難なく避け、軽く斬撃を飛ばす。


 花びらごとぶった斬られた魔水仙。


 回収したのは、魔水仙の花びらと微量の魔石。


 花びらだけをリュックに入れる。


 魔力の流れを模倣し、浄化を使う。


「見た感じ、悪臭の原因物質や菌を魔力で集めてから、分子構造を変えて無臭にする様だな。汚れも同じ、色も落とせるってことか。」


 ファ◯リーズの超強力バージョンのようだ。

水属性魔法は、魔力の性質を水を構成する物質に変換する、つまりは浄化と原理は同じの様だ。


 水属性魔法の魔力の流れも掴んだ。


「結構難しい事してんだな魔法って。でも一度覚えてしまえば自然と魔法術式が脳内で計算出来てしまうのは何でだ?…まぁ良いか。」



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【魔法】

『無属性魔法』[初級]を取得しました。


【魔法】

『水属性魔法』[初級]を取得しました。


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裏話

 ※魔法全般が異世界の魔法記憶演算装置【ラプラス】に保存され、すべての魔法師、魔物の脳と繋がっているから。という話。

個人個人にデータ容量が与えられているイメージ。

 異世界が誕生するずっと前から、原初の神々が力を使い、構築した。

知っている者はこの世にいない。


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「とりあえず両方覚えたし、次の階層行くか。」


 不動は浄化を使い、臭いと汚れを落とすと一気に11階層を駆け抜けて12階層へと降りようと階段を探す。


 階段の前には巨大なスライムが道を塞いでいた。まるで階段を守護しているようだ。


 もしかしたら、10階層から下は階層ボスなる魔物がいるのかもしれない。


 青色の通常スライムをまさに大きくしただけの魔物。


 そんなもの核を切り裂いて終わりだろう。


 存在格が爆上がりした不動の斬撃は、容易にスライムの分厚い体ごと核を分断し溶けるようにスライムはただの水の塊へと形を変えた。


回収する物もないので、すぐに12階層へと降りていった。






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