第9話 佐藤紗理奈の初恋

 ピンチに危険も顧みずに助けに来てくれた淳史さん。私は彼に対する「好き」という感情をはっきりと自覚した。彼のことを思うと心が濡れるようで、こんな気持ちは初めてだった。

 私は、高校三年生になって、ようやく初恋というものを体験しているのだった。


 淳史さんのことも、自分は彼が好きだということも、ママに話した。今までとは全く違う私の話を、ママはびっくりしながら聴いてくれた。

 彼を家に呼んで、ママにも紹介したいと言ったら大賛成してくれた。「断られるかも」とドキドキしながら淳史さんに連絡を取ったところ、二つ返事で「行く」と言ってくれた。


 その週末、淳史さんは、スーツを着こなした凛とした姿で、我が家に現れた。

 淳史さんは、自己紹介をすますと私とのことを切り出した。

「紗理奈さんは、ずい分と危っかしいところはありますが、僕はもうすぐ二十歳になります。保護者のつもりで彼女に寄り添います。紗理奈さんとお付き合いさせてください」

 ママは、両手で顔を覆って、たっぷり五分間は号泣していた。

 淳史さんが困惑した顔を向け、小さな声で言った。

「お前、今までどんだけお母さんに迷惑をかけてきたんだよ?」


 ようやく感涙が収ったママと三人で、ママの手料理を食べた。こんなに和気藹々とした食事は、パパがいたころ以来た。

「自分の家だと思っていつでも遊びに来てね。紗理奈をよろしくお願いします」と何度も繰り返して、ママは夜勤の仕事に出かけていった。

 

 三人の時はあんなに話が弾んでいたのに、二人になったとたんに私は緊張して何も言えなくなってしまった。

 淳史さんは黙り込む私を立たせ、顔を寄せてきた。少し背伸びをして彼のキスを受けた私は、それだけで膝がガクガクして立っていられなくなってしまった。

  

 そっと唇を放した淳史さんが、優しい声で、私が言い出せなかったことを言ってくれた。

「俺、紗理奈としたいんだけど、いいかな」

 

 私の最後の一枚を淳史さんがそっと私の足から抜き取った。

 生まれたままの姿になった私の、身体の方はもうとっくに準備ができているのに、それを彼に気づかれてしまうのが恥ずかしくて、思わずしっかり太腿を閉じてしまった。

 今までは誰にでも平気で足を開いていたのに、、、

 

 閉じられた太腿に間に彼の手が滑りこみ、指がもうすっかり潤っている私の部分に触れた。

「ばれちゃった。。。」

 ようやく観念した私の足の力が抜けた。大きな掌が私の女性の部分を包み、指がゆっくりとその凹凸をなぞる。私はもうなされるがままで、彼にすっかり身体を預けて、夢見心地で声を上げ続けた。


 ようやく淳史さんが私の中に入ってきた。大きくて、すごく気持ちいい。でもそれだけではない。羽根布団に大切にくるまれたような安心感がある。こんな気持ちの良さは初めてだった。

 離れたくない。できるだけ密着して彼にあわせて律動を繰り返すと、私の身体はあっという間に高みに引き上げられ、私はどこかに飛んで行ってしまわないように必死に彼にしがみついた。


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