第3話 冴島遥の暴走

 私は、彼の前で、少し前かがみの膝立ちになった。白衣の下は何も着けず、ボタンもわざと二つ外してある。彼の目線からは、私の乳首や、もしかすると下半身の茂みも見えているかもしれない。


「いい? 絶対動いたらダメよ」

 私は、彼のスラックスのボタンを外し、下着ごと一気に腿のあたりまで引き下ろすと、彼のものを口の中に納めた。


「あっ」と彼が息を飲み、「ううっ」といううめき声がそれに続いた。

 根本から先の方へ向かって何度か刺激を加えると、あっという間に膨張した彼のもので口の中がいっぱいになり、むせた。

 今度は先端を舌で刺激する。快楽の前兆がにじみ出ると刺激を止め、彼の昂りが少し引いたところでまた刺激を加えた。彼のものをを舌で弄んでいるうちに、私の身体の芯も段々熱くなってきた。


 彼が「もうこれ以上は」というところで、私はそれを口から外した。

「どう、何か見える?}

「ピ、ピンクのオーラが見えます」

 やはり仮説はビンゴだったようだ。私は立ち上がると、白衣の上からコートを着た。

「うちに行くわよ。急いで」

 

 怒張したものをようやくジーンズに押し込んだ淳史くんを促しながら、私は、階下でタクシーを拾った。

 自宅マンションには十分ほどで到着した。エレベーターのドアが閉まるのももどかしく、私は彼と唇を重ね、舌を絡ませた。

 部屋の鍵を開けると、私はコートを脱ぎ捨て、彼を寝室に誘った。


「遥さん、俺、もう我慢できない、」

 彼は、私をベッドに押し倒すと、ぎこちない手つきで白衣を剥いだ。私はもう全裸だ。慌ただしく衣服を脱ぎ捨てる淳史くんになんとかコンドームを装着させると、彼がいきなり覆いかぶさってきた。私は手を据えて彼のものを私の中へ導いた。侵入する彼のその予想以上の量感に、私は思わず大きな声を上げてしまった。


 ことが終わると、私は自分の仮説を淳史くんに語って聞かせた。

 動物が交接の促進を目的として異性を引き寄せるために発するフェロモンという物質がある。にわかに信じがたい話でだが、淳史くんはヒトの女性がやりたい時に発するフェロモンが見えると考えれば、話のつじつまがあう。例の冤罪事件で突然その力が覚醒したのではないか。


「その力、そう捨てたもんじゃないわよ。淳史くん、あなたは無敵のモテ男になれるかもよ」


 私は、再度自分がどう見えるかを彼に尋ねた。

「まだ、ピンクが見えてます」

「やっぱりね。淳史くんが早すぎるからだぞ」

 彼のものの裏側を人差し指でなぞると、それは早くも硬度と角度を取り戻していた。

「もう一回、できるよね?」



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