第十二章✧追わなきゃ!犯人を!

高梨くんを探し始めて早くも―――――30分。ぜん、ぜんっ!見つかんないっ!

「ぜんぜ、んっ!みつか、んないっ!」

なんでこんなに変な喋り方はわかるよね?ずっと走ってるもん!息きれちゃう!死ぬ!ヤバイ!

「どこにいるか―――――通行人の予知夢と過去夢を見よう!」

なんでそんなに息切れてないの!?これが陰キャと陽キャの違い!?というか、

「寝ないと、予知夢、みれまっせんっ!」

「でも、…さっき起きてたのに見れてたよね?」

「、…あ!?」

前も、起きてるのに予知夢が見れた。もしかして、寝るとか関係ないの!?それじゃあ、予知夢じゃなくてただの予知!!じゃあ、私は予知夢が見れるんじゃなくて―――予知能力があるったこと!?


――――ジ、ジジジ、ジジ、ジジジ――――

予知夢!?いや、予知かな?


うちの近くの裏通り。隣のおばさんと高梨くんがぶつかる。

「どけ!!!」

高梨くんの声。おばさんが倒れたのにそれを無視して走っていった。


公園の時計は10:59――――。


――――ジ、ジジ、ジジジ、ジ、ジジ――――――


予知夢が終わった。今の時間は?えーと?

「10:48―――――11分後!」

「11分後?何が?」

「高梨くんがうちの近くを通る時間!でもここから、距離があるし―――。」

「―――乗って」

私の言葉をさえぎるように、田口くんがように指示をした。―――!?なんで自転車?こ、校則違反!二人乗り―――交通違反!良くない!ダメ、絶対!!!

「校則違反ー!交通違反ー!ダメー!」

「!?――緊急時だから」

「えー?」

まあ、急いでるし、い、い、か……な?

「すごい嫌そう(笑)」

「……」

「否定はしないんだね(笑)」

私は渋々、後ろに乗った。

〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

高梨くん!?いた!?

「待って!」

高梨くんは走っていってしまった。自転車で追いかけようとしたが、タイヤが運悪くパンクした。


どうしよう。見失っちゃった……。

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