第九章✧濡れ衣です!?

学校につくと多数の視線に気づいた。

「……?」

どうしたのか、…?沢木さんがこっちに来た。

「あんたが小鳥遊おどりゆ先生を殺したんでしょ?」

「は?」

私にしては珍しく大きい声を出してしまった。というか、私が犯人!?何それ?

「高梨くんが言ってたわ。早く自首しなさい!人殺し!」

いや、人殺しじゃないし…。高梨くんが犯人だし…。なるほど、皆高梨くんに騙されてるわけね。

「根拠は?」

私がそう言うと、沢木さんはうろたえた。

「―――高梨くんが言ってたんだもん!」

「高梨くんが嘘ついてるかもしれないでしょ…?」

「!?――――――嘘つく必要ある?」

「高梨くんが犯人だったりして……。」

「た、確かにそれなら辻褄つじつまが合うかも?」

いや、高梨くんが犯人の可能性は考えなかったんかい!!!まぁ、高梨くん優等生だし、人望もあるもんね……。だからこそ、先生を殺した動機がわからない。探らなきゃいけないのに、私が犯人に仕立て上げられるなんて……。

「―――僕にはアリバイがあるんだ。君にはあるか?」

高梨くんが偉そうな口調で聞いてくる。というか、いくらボッチでもアリバイくらいありますよ!!!

「塾にいました。――○☓進学塾にいましたよ。」

『え゛!?』

クラスみんなの声が重なった。

「○☓進学塾って、めっちゃ偏差値高くないと通えないって話だよね?」

「嘘、新嶋さんって学年何位だだけ?」

「2位!?マジカ、1位の高梨に気を取られてたわ。」

「頭、良かったんだな」

褒め言葉なのか、けなし言葉なのか、どっちなのか……。

「ま、○☓進学塾にいたのはホントらしい、な……?」

流石に認めざる負えないよね?○☓進学塾だもん。

「じゃあ、誰が犯人なんだ?」

「高梨じゃねーの?新島も言ってたし。」

「沢木さんも、新島さんも言ってたもんね。」


「そんなわけないだろぉぉぉぉーーー!!!」

高梨くんの叫びが、教室に響き渡った。

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