2023-4-1
インスタのストーリーにはスーツを着た友達の姿ばかりが上がっていた。一通り目を通して、仲のいいヤツらには軽くメッセージを送っておいた。私はまだストーブの前から動けないでいる。去年度出したストーブだが、未だに手放せない。過去に取り残された気になって、まだ入学式を済ませていない友達を考えて安心する。入学式なんてただの形式的なもので、その経験で精神の成熟など計れるわけもないが、それに固執している私も確実に存在している。まだ袖の通していないスーツをタンスから持ってきて、着てみる。そんなことで安心する。存外私はチョロいのかもしれない。大人の真似事が板に着いてくる時期だと実感して、子供の特権を手放して、新たに手を埋めてくれる大人の自由を謳歌できることが嬉しくてならない。ないものねだりであって、完全に子供と名乗れ無くなれば、そちらを羨むかもしれない。私は元来身長が低く、大人に憧れているというのもあるが、そこでは無い思慮深くて冷静沈着なそんな大人に憧れる。豊富な人生経験故ということに気づいている。旅行が好きなのも、無自覚の内にそこが関係していたかもしれない。
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