第4話 虚数時間から来た女


 冬を迎える港のはずれは寒々しい

それでも渡辺と猪瀬は折りたたみイスに並んで座っている

2人の厚すぎる防寒着と2つの短めの釣り竿がやる気を感じさせない

目の前はるか向こうには渡辺の浮きがかすかに見える。猪瀬の浮きは岸壁から5m先、十分に見える


猪瀬は首を振った

「なんで渡辺と釣りをしているのかな・・・全然、人生がうまくいかない」

「なにをぼやいているんだ。目の前のことに全力を出せない人間はどんなことをしても結局しょぼい人生を送るのだ」

「お前は哲学者だな」

「お前が俗っぽ過ぎるんだ。どうせ赤池さんを何かに誘ったけど蹴られたんだろ」

「お前は哲学者にして預言者、いや心理学者なのか」


渡辺はリールを巻き始めた

「もう終わりだな、釣れないよ」


猪瀬は顔を上げ、遠くを見た

「釣りの終わりはいいけど、この空もなにかチカチカして、壊れかけのテレビみたくなってないか」

「壊れかけのレディオみたいなこと言いやがって。また始まりやがった。神経症状が再発したか」

空がフリッカーしていた。そうかと思えばおとなしくなり、また濃淡が激しく変わってまた元に戻ることを繰り返していた。


渡辺も顔を上げ、真上まで見上げた

「本当だ。チカチカしてる、お前といると不可解なことばかりだ」


 世界中で発生した空がチカチカ見える現象は、昼でも夜でも世界中で視認された。

視認はされたが観測されたとは言いずらい。なにしろ世界で誰も、現象を数値化出来なかったのだ。


空がコマ送りで過去と未来を行き来しているそんな現象であった

世界中の専門家がその原因を異常気象に求めた。

何にも影響を与えていないというのが、専門家の最終的な解釈だった。


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 風間は携帯電話のネット記事を見てにやりとした

空が点滅。フリック。南米ではドラゴンが出た。

ヨーロッパでは神様が降臨し、インドではイニシエの神々が飛来した


全て幻だがな・・・チカチカしているだけ


世界中大騒ぎだ。

人間が出した二酸化炭素なんかが原因じゃない・・・異常気象が原因なんて嘘だ

問題は単純。空間が反乱を起こしている

空を汚すな!なんていうベタなものでは無い

人類に見せていた今までの風景は全部嘘だ。本当の空ってのを見せてやると言っているだけだ


手元のパソコンモニタに目を落とした。

先日の赤池葉菜子との面談動画が流れている

先日の面談の際に風間の胸のバッチにはカメラが仕込んであった。


画面の中の俺が言う

『サイコガンって、古いな。宇宙海賊ですか。そのカトゥーンは僕にはわからないなぁ・・・』

この次の瞬間だな、急に態度が変わった

葉菜子の目が座ってきている

『何かよくわからないけれど、するってーとあなたはコブラに敬意を払えないってことですか』


ここで完全に変化してる。最初来た赤池葉菜子とは似つかない態度

違う人間に変わっている

絶対にそうだ


画面の中の葉菜子は踏ん反りかえっている



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身なりが完全には仕上がっていないが車に乗る

いわゆる”風間”として100%ではないが、尾行をするにはちょうど良いだろう

田舎に溶け込むのに毎回苦労する

都会しか知らない俺の担当エリアが、なぜ中部地方の小都市なのか、このところ喉に突き刺っている小骨だ


GPSからの信号をカーナビに連動させている

ターゲットの位置を確認しながら周りに目立たない運転を心がけ、警察が各地に設置しているNシステムの検知ポイントを避けて急ぐ。

Nシステムをかいくぐるのは得意だが、かいくぐる必要が本当にあるかはわからない。

”できる”男は用心深いのだ


以前のミッションの動画をチェックしていたら、思いがけず急な指令が来た

それも、最高レベルに暗号化されたものだった。

再び、あの女にかかわる

恐ろしい計画を胸に秘めた女

赤池葉菜子を尾行しろとのこと

望むところだ。

 あのちょっとキュートで怖い女。とんでもない計画を密かに練っている女。

人類全てを葬る計画って、どんな手法を考えているんだ

正気か?

不可解な女の化けの皮を剥がしてやる


中部地方の田舎なので移動はほとんど車、既に彼女の車にはGPS発信機を付けているので尾行は簡単だ


南に向かっている。一体どこを目指しているんだ


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GPS信号が示す地点を定め、遠くに目を移すと駐車場が見えた。ターゲットの車があり、車中に人影は無い

気が付かれないように用心しながら、少し遠いが第2駐車場の看板があるところに車を止める


エンジンを切ると静かな山あいの緑が目に迫ってくる

ニヒルにふっと笑う

本音を言うと、正直不満だ。何がミッションの本質なのかを具体的に示されていない。

監視しろというだけだ


しかし、俺のIQは真にギフテッド。不可解なことに対しても、答えらしきものを導き出してしまう。

上は俺をおとりと考えているとしか思えない

俺を囮として、何が寄ってくるのだ?

あの娘なのか、それは全然問題無い。

あの切れ長の目で見つめられると、ちょっとぞくっとする。あくまでも "ちょっと"だ。

これが常人であれば気持ちを持ってかれたりするのであろうが、そこは超絶イケメンの " 風間 " だ。そうはいかない。

しかし、あれで銀ぶちの似合ったメガネをかけられた日には、この風間も気持ちを正常に保ってられるかは分からない。

おっと話が脱線した。このように俺を微妙に狂わせているのは事実ではある


彼女はサイコパスかもしれない。

しかし、反社会勢力とも関係なく、交遊は良好

重要施設にハッキングしている疑いがあるというのがちょっと引っかかる


何か重要な情報をつかんでいるのか

上が俺に全部を教えてくれればよいのに。

それとも、そこまで掴んでいないのか


動くのはターゲットを視認してからだ


ハンドルに突っ伏した姿で望遠レンズを山に方に向けた 

車道が山道に変わる境に赤池葉菜子の後ろ姿が見える

登山用ではないが、パンツ姿のラフな格好でリュックサックを背負っている。リュックの中身は少なそう

看板の前に立ってなにか思案している


「高天神城跡」


お城マニアか? 資料にそんな情報は無かった

それにしても観光客がまるでいない。駐車場にはターゲットの車以外に地味目の車が2台。

2組のじいさん・ばあさんがどこかで弁当を食べているのだろう


2組が山道を降りてくるのが見えた

どんな観光地だ!観光客が葉菜子と俺だけになる


尾行というのは人込みに紛れるのが王道。こんな ”すかすか” の場所で気が付かれないように尾行するのは難しい


地図を見て作戦を立てる

西の丸手前、井戸曲輪いどくるわあたりの開けたところまでは一本道なので、後ろを振り返られたらまずい。まる見えだ

そうなったらウインクするしかない

この駐車場から道がうっすら見えて作戦が立てられるのが幸いだ。

ターゲットが井戸曲輪から左に曲がって本丸へ行くのか、右に曲がって西の丸へ行くのか確認してから一挙に距離を詰めよう



三日月井戸あたりで、葉菜子が何かに気を取られているようだ

何だ、何かあったのか



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葉菜子には聞こえていた

「タスケテ、タスケテ・・・」

歩を止めて、辺りに素早く注意を払った

「誰・・!」


草むらの中に猫が潜んでいるのが見えた

「あなたはこんな季節にサカリがついているの?いいかげんにしなさい。悪い猫ちゃんね」

---こんなことも、ままあること。気にはしない---


茶色のでっかいカエルがのそのそと動いているのをまたいで、また歩き出した


今日は1つの疑念に決着を付けに来ていた。

1人になることがまず必要だった。

部屋でも1人になれるが、そこで考えていても何も解決しないと感じていた


 高天神城に引き付けられたのは、過去の情念の跡が染みついているからなのかもしれない

今川、徳川、武田が入り乱れて、思惑・激情・栄光・勝利・保身

あらゆる思念が時間の中に凍りついている

数々あった対決


---私には対決しなければならない相手がいる。この対決の地がうってつけ---


またも静寂を破る者がいた

「オマエはそれでどうなんだー、ガー、わすれようとするな、ガー」


葉菜子は声の方向に顔を向けた

「誰よ・・・!」

恐怖が体を硬直させた

キツツキのような鳥が枝にとまっていた

「なんだ鳥か。・・・あなた本当に鳥なの?」

その言葉が届いていないようなそぶりで葉菜子を一瞥すると、大げさに羽ばたいて大きな杉の木の陰に飛んでいってしまった


---こんなことも、ままあること。気にはしない---


葉菜子には、このところどうしても頭から離れない疑念があった

現実離れしているので、今までは考えることを避けていたのかもしれない


---最近、おかしなことが続く。今までの人生でもそんな波があったのだろうが、これまでは気にならなかった

今は気になる

特別に気になる


私じゃない誰かがいる・・・



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赤池葉菜子の後ろ姿から目を離さず、徐々に距離をつめた

左に曲がるのが確認できる


地図からすると南側にもう一本、脇道がある


速足で追いつかなければ・・・


動くものがあった

ビクッとして体が固まった

茶色の大きなカエルが4足歩行でのっそり動いていた

葉菜子はこいつに驚いていたのか。かわいいところもあるじゃないか。

サイコパス気質とのギャップも、ちょっと惹かれる。超絶イケメンの俺を横道に逸らせかねない危険な女。

でも、今はターゲットだ

ターゲットと強く意識しないと別の感情が湧き上がって来るのが自分でも怖い


南側の脇道に素早く移動した

名も知れぬ植物のとんでもない数の種が裾と靴に付いた

おいおい、台無しだ、これは簡単には取れない


この道からではターゲットの姿が見えない

音を聞くだけの監視だけですますという選択もある

しかし、こんなとこまで来て何を監視するんだ? 山の中で恐ろしい計画の何が進むのか?



「そこまでだわ」

ズボンの裾から目線を上げると、赤池葉菜子が立っていた

やっちまった、エージェント風間としたことが、こんな失態をおかすとは・・・

ここは切り替えて、マイナスの事象を最小にしなければならない


「久しぶり!・・・偶然見かけたので追っかけて来たんだ、ストーカーじゃないぜ」

「あきれた。どんな顔をしてそれを言っているか写真を撮っておくわよ」

「写真を撮るならツーショットにしようぜ。いい記念だ」


 話を逸らさないといけない

この際だから1つの疑念を聞いてみた

「全然違う話を聞いていいかい?」俺は反応を待たず続ける「赤池さんは、パソコンに詳しいの?すごい技術があったりして」


葉菜子は即答する

「パソコンなんて知らないわよ、会社でエクセル入力するのが精いっぱい。それでもある程度の関数は使えるのよ」


これが上が恐れるハッカーの姿か?


そう言った葉菜子の顔を見た俺は唖然とした。

顔のシルエットが薄い。前後にぶれている


おいおい、ここは一旦落ち着こう

気がおかしくなる


良く見ると葉菜子の顔が2重に見える

2重人格だからといって、姿が2重になるっておかしいじゃないか



「つかぬことを聞くけど、最近自分が2重だなと思うことはあるかい?」

ちらっと葉菜子の顔を見ると、はっとしている


「・・・嗜好が何かに引っ張られていることは感じているわ。言いたくないけど、まるで2人いるような感じ。それをなぜあなたが分かったの?」

「それは分かるよ、レディーの憂いは良くわかる」

なにせ見た目が2重なのだから、そりゃ分かるよ


何かを説明したいようで、葉菜子は言葉を続ける

「先日のこと覚えていますか? 夢うつつであなたと口論していたみたいなの。コブラがどうとかって・・・、いくら、フリーマーケット回りが好きな私でも、宇宙海賊コブラなんか良く知らないはずなのよ、なぜ私が詳しいのかがわからない」

「赤池さん。あなたが読書好きっていう情報は聞いてますよ。ノベライズで読んだのでは?」

「そんな本は持っていません」


そう言う彼女をよく見ると、だんだん上下に分かれだした。上に浮かんでくるってどういうことだ

彼女の表情は変わっていない。自分の状態が認知できないのか?


俺は大きな四角い岩に腰を下ろした

葉菜子は対面に立ち尽くしている。上のもう一人の葉菜子も頭の上に立ち尽くす。

なんだこれ

もっと俺から離れてくれよ


「あなたこの前、私のささやかな活動を止めに来たわね。なぜなの?」

"ささやか" ? その活動がまずいんだよ・・・直球の質問に俺は動揺した

「平和で安全な生活がいいねという、そんな想いからだよ」

「なにそれ」

ほほーんという顔をして葉菜子は続けた

「それも、薬か何かで猪瀬さんを ”いかれポンチ” にしてまでそんな忠告を言いに来るって、どういうことですか?そんなことを伝えることがそんなに大切なことですか?」

「それは違う、あの猪瀬はその前から”いかれポンチ” だった」

俺は論点を誤魔化した

葉菜子は更に変なことを言い出した

「”いかれポンチ”ってそもそも何ですか?」

「えっ、あなたから言い出した言葉ですよ」

「そうかもしれないけど、そんな言葉を私が使うわけないでしょ」



俺は目を閉じた

これはダメだ。イカレてきている。なぜ、こんな女を尾行しなければならないのか

俺は気が付いていた。車に乗って尾行していた時、俺をまた尾行している奴がいた

 正常性バイアスがそれを否定しようとしていたが、幻じゃ無かったんだ

やはり俺は囮なのか。こんな茶番は聞いたことが無い


「ピー、ピー、ピー・・・」

その時、俺の懐のセンサーが鳴り出した

この音は放射線量計の音だ。音のパターンからすると、おそらくγ《ガンマー》線を検知している

なぜ?

指令によって持たされたアイテムだ。ここまで予想していたということか。

「失礼。くだらんメールの着信だ」

適当にごまかして、観察に集中する

上下に分かれていた赤池葉菜子の上下の中身が複雑に入れ替わっているように思えた


「あなた、まずいわよ、これを使った方が良い」

葉菜子はリュックサックからスプレーを取り出し、俺に投げてきた

見事にキャッチした俺。

今、変わったほうが下品な方の葉菜子---Hanakoか・・・

 昔のアニメ、宇宙海賊コブラのことをほんのちょっと悪く言ったら、俺を食べてしまおうとするかのような冷たい目で、挑戦的な言葉を投げかけてきたやつ


申し訳ないが、古いカトゥーンなんて本当に興味がないんだ

むしろキライ

 俺はあの時代のカトゥーンが大キライなんだ。やることが大げさなんだよ、ペガサスなんとか拳とか、パイルダーオンとか、大キライだ。

Hanakoと出会って、より一層キライになった

俺の知らないその時代。そこから時間が経過した俺の神童時代、幼き自分の創作の方がよっぽど魅力的だ

改めて手元に受け取ったものを見る

「何ですか、これ?」Hanakoから受け取ったものは見慣れないスプレー缶だ


「それは放射線を遮蔽するのと同時に傷ついたDNAを補修するスプレー。私がやっている化粧品会社の製品よ。これを使わないと、きっとあなたはγ線で来週にはハゲルわ」

俺は狂ったようにスプレーを自分にふるった。

ごめんだぜ、でも、そうなってもイケメンには違わないだろうが・・・

なぜ、γ線のことだと分かった?俺は言っていない


Hanakoは口を開いた

「消滅γ線が出ているってことは、同時に存在しちゃいけない2つのものが出会ってしまったってこと」

Hanakoは葉菜子と違い理屈っぽくてちょっと嫌なタイプ。同じ人間というのが不思議だ


「同時に存在しちゃいけないものって・・・Hanakoさん、あなた方2人のことでしょう」

「私たちじゃないわよ、私ぐらいの質量が対消滅したら、人類はもう地球には住めなくなるわよ」

今答えたのがやっぱりHanakoか

「じゃあ、何が出会ったんだい?まさか、俺たちのことかい」

「笑い事じゃないの。私にも分からないわ。きっと、ちょっとした”ゆらぎ・もつれ” で何かが出会ってしまったんだと思う。もしかするとあなた自身も ”ゆらぎ” の原因かも・・・

そうなると、世界がチカチカしだしたのも、あなたと無関係じゃないわ」

「そんなバカな」

さすがに俺はあきれた。ついていけない


「私は虚数時間に生きるHanako、あなた方の時間を生きる葉菜子が私の存在に感づいてきたのも、”ゆらぎ”が関わっている」


 そんな時、目を遠くに移すと龍ケ谷から黒いものが噴出してきた

勘弁してくれよ、ギフテッドである俺の理解の許容範囲すら超えてくるぜ


その黒いものが空中で集まり、大きな鳥となった。首が太くて立派だ

「あれはブラックバードじゃないか」

俺はびっくりした。俺の幼き日の創造、秘密のブラックバード

「あなたの深層心理にあの鳥がいるのね。やっぱりあなたが絡んでいる」

「いやいや、そんな訳がない」


大きな黒い塊が羽ばたいて頭上に来た

俺の体が浮いた

まさか

なぜ、浮く

ひんやりとする

おいおい、目の前が真っ黒だ


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 風間はブラックバードと一体化して、遠い空に飛んでいった

空間の隙間に溶けていったというのが正確な描写だった


ブラックバードに変容したのはダークマターだった。

ダークマターとは、それ無しでは他の物理則に矛盾が生じる正体不明の物質

大きな質量を持ち宇宙の重力の大きな部分を占めている

Hanakoの前に出現したのはエネルギーのバランスを取る為に他ならない

 不均衡が生じ、それをダークマターが補った

自然はエネルギーの不均衡を見逃してはくれない


「あきれた・・・あの人、ダークマターに”フェードイン” したわ・・・あれは絶対に "フェードイン" よ」Hanakoはコブラよりもっと古い1970年代半ばのアニメに思いを馳せた。

「再び会えるかわからないけど、会った時には ”勇者ライディーンになった感想はどう?” と言ってやろう・・・

その時も”古いカトゥーン”と嫌味を言われちゃうかしら」

がらにもなくHanakoは心配にもなった

「この時間軸の住人があんなことになったらどうなるんだろう・・・皆目分からないわ」


Hanakoと葉菜子は再度一体化した。葉菜子が感じているもう一人の自分の存在に対して、Hanakoから答えを示唆することはなかった。

ここに来れば、謎が解けるという葉菜子の期待は、Hanakoのマイナスの期待と対消滅しγ線を残して消えた



近くにある浜〇原発の放射能モニターポストには嫌な痕跡が記録されていた。

以降しばらく、中〇電力の職員は嫌な仕事が増えることとなった


風間は虚数時間の中、ペガサス流星拳の夢を見ていた

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