第29話 予想外のトラブル
演劇も終盤だ。もうそろそろ主人公が魔王のもとに着き、最後の決戦に勝利し、王女に告白するハッピーエンド。
「ハァ...ハァ...ここが魔王の城か...!」
俺は颯爽と駆けていって、魔王のもとに辿り着き、魔王役の雅が喋る。
「ガハハ!よく来たな、待っておったぞ!」
なんでコイツこんな魔王役似合うんだろ。
普段から陽キャの奴って基本何の役しても似合う気がするのは気のせいですか?
まぁいいや。
「お前が魔王か!よくもいろんな国や村を滅ぼした!俺が必ず倒してみせる!」
「ほお、威勢はいいようだ!どんなものか見せてもらおうじゃないか!」
あとコイツ演技上手くね?クラスで2番目にはうまいだろ!
え?1番?もちろん俺だよ?
んで面白味のないありきたりなボス戦(主人公が王女のいる城に戻ってくるところまでカット)。
「王女!今戻りました!」
個人的に愛花はすごい演技上手そう!だけど今の俺明モードだし単純に愛花にとっても俺にとっても目の前に恋人がいるから緊張するわけだ。俺にとってはだいぶいろいろなことで慣れているけど、愛花はそうでないだろうから余計に心配だ。
「ゆ、勇者様!勇者様なのですか⁉」
「はい!長きの旅の末、魔王に打ち勝ちました!」
「良かったです...本当に...!」
うわぁなんでこのクラスこんな演技上手いんだろぉ...!
俺個人でまぁまぁ上手いと思うんだけど。
まぁ愛花なら俺の演技見まくっているから最早見るだけでコピーしてるんだな、演技を、多分。
実はそれも十分凄いことであるのだが、感覚麻痺というものにやられているため、明はこのくらいの反応になっているのだ。ということでみんなも感覚麻痺には気を付けよう!
だがどれだけ万全に準備していても、トラブルというものは起きるのである。
一度幕が下りてラストシーンの告白を残すのみとなった時である。
「今全員手が空いていないこの状況で、最後に幕を下ろす人の人数が足りないことがわかった、そしてこの時間も背景を変える程度の時間しかとっていないため、誰か今は入れる可能性がある人はいるかい?」
その言葉が出ると、この場に沈黙が訪れる。
「いない...か。」
「どうするんだよ!」
「せっかくここまで来たのに!」
皆がみんな、せっかく作り上げたこの演劇が台無しになっちゃう、何かいい方法はないかと焦りはじめ、その時にはもう、演劇前の団結は感じられない。その様子は、理由は違えど俺の正体がバレた時のようにパニックになっているような感じであった。
ただ1人の男子と、1人の女子を除いて。
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どうも、作者です。最近、風邪になっていました。久々になるとだるいね...。
最新話を書く気力はあったのですが、その風邪状態で書いて、今までもところどころ誤字があるのに、それよりも多く誤字をしてしまったら読んでくださる皆様に迷惑だと思いましたので、書くのを抑えていました。今回の構想自体はあったのですが...。
これからは体調管理も気を付けていきますので、よろしくお願いします。
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