　◇中野愛花side◇

　6時間目の終わりのチャイムが鳴ってから少し｡

　やったっ！思わずそんな声が出そうになる｡

　私を助けてくれた早川君を家に誘えちゃった！

　でも､私――中野愛花には気になることがある｡

　それは､前出かけていた時に､私の大好きな高校生俳優の上野明が所属していて､数多の有名な人たちもいる｢スプラッシュ｣の中に入っていく早川君らしき人物を見たから｡

　ちなみにスプラッシュの由来は水が弾けるように様々な分野の人たち…歌手とか芸能人とかに活躍してほしいからだそう｡

　早川君らしきというのは､一瞬横向いたくらいでほとんど後ろ姿でしか見えなかったから｡

　ずっと聞こうかとも思ってたけど､今まで特に接点がないから話しかけずらくてしなかった｡

　今日家に呼んだのは半分それが目的､もう半分は単純に自分を助けてくれた人のことをもっと知りたいという､ちょっとした好奇心が出てきたから｡

　そのため､少しでも早川君のことを知れてらいいなと思っている私がいる｡

　帰りの会はそれを考えていると一瞬で終わったように感じた｡

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい