第3話 急ぎの用事

 クラスで一番美少女と言われている中野愛花を助けた俺は、急ぎの用事があることを思い出した。

 さっきのパリピ男から逃げる時に、だいぶ複雑に逃げていたため、俺は中野さんに


「中野さんはここからの道わかる?」


 そう聞くと彼女は


「こういうところ普段来ないから、ちょっとわかんないなぁ…。」

「そうか、じゃあさっきのところまで戻ろうか、でも今日は俺急ぎの用事があるから少し早歩きさせてもらうよ、ごめん」

「用事があるなら仕方ないよ、早くいこ?」


 そして無事何事もなく、彼女を最初の道まで早歩きで連れていき、家に帰った。


 ◇


 家に帰った時、本来家を出なければいけない時間まで残り15分だった。

 そして家に帰ってからすぐに着替え、支度をしているだけでそんな15分なんて一瞬で過ぎる。

 急いで家をでて、俺はとある場所に向かう。


 その場所についた俺は、急いで中に入る。

 ついた先はテレビの収録現場。マネージャーに挨拶を済ませた後、メイクさんにメイクをしてもらい、衣装を着る。色々と準備が終わった俺は他の演者さんたちがいると凝りに行く。そして、


「上野明さん入りまーす!」


 実は俺は有名俳優の上野明であり、中学校の時に周りの人からの声が凄く、疲れるため、学校では校長公認の元偽名を使わせてもらっている。なので俺の名前のことを知っているのは家族と校長、担任の先生ぐらい。ちなみに未海に言うと確実にバラすからなんとか隠している。


「よろしくお願いします!」

 

 そう俺が挨拶すると、他の出演者さんたちもよろしくね、と返してくださり、撮影が始まった。

 今回の撮影は特に何事もなく終わり、帰ったころには夜の八時だった。


「もうこんな時間か?さすがに明日に疲れを残したくないし、課題やって風呂入って夜ご飯食ったら寝るか、」


 そして珍しくいつもより2時間くらい早く寝た俺は、久しぶりにいい夢を見た…気がする。

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