第15話憂う者


僕は瞳を閉ざし君を思いだす

その度に後悔する君は間違っていない

それが人間だから それが感情だから

君は祈れるんだよ 僕は涙を流すんだよ

二つの祈りが一つの感謝を得ようとするから

不具合が生まれ 零れ落ちた涙は命を許そうとする

遠くに咲いた花こそ許しを得ようとする

それなのに僕らはそれを理解できない

美しき花とは心を浄化するもの

日々を繰り返すもの 自我を削るもの

君は笑顔を作り 僕は夢を見て

多くの失った自分を知らずにいる

それなのに涙は流れ 意識は邂逅していく

人とは自分を唄いつずけ 微笑を交わす

真実に咲いた祈りの前では 誰もが涙する

理解ある屈辱は恥じる事はないんだ

邂逅する旅に僕らは遠くを虚空に思い

君の涙に少なからずの惰眠を貪る

僕は水面に浮かんだ自分を鏡として

君は水溜りに映る自分を信じる努力をする

けれど全てが偽りなら 僕らは時の中で失墜する

それを平和と唄うのなら

誰もが死を忘れ 生への扉を求めつずけ

滑稽に憶えた微笑は誰もの絆と知るだろう

今日を育み 今日を生きて 臨んだ今に畏怖する事はない

求めた今に勲章が必要なら 僕らの血を与えよう

孤独な瞳に空が必要なら 今を悟れば良い

翼は心に咲いた鐘だから 鳴り響く度に君を思い

僕を哀しみの対象とするのは間違いだよ

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